10月7日 新日本プロレス 広島サンプラザ大会で、行われたG1クライマックス公式戦。
飯伏幸太vsタンガ・ロア
普通に考えたら、ロアがパワーを見せつけるも、飯伏が貫録を見せてカミゴェで勝利と言うのが、妥当な所だと思います。
結論から言うと飯伏の勝利
予想通りの結末でした。
しかし、中身は全く違いました。
何度もタッグ王者になっているにも関わらず、シングルの実績は皆無だった事も有り、ロアのイメージと言うとどうしても”タッグ屋” ここに落ち着いてしまいます。
しかし この日のロアは凄かった。
パートナーの助けがない状態でも、ツープラトン攻撃が無い状態でも、元IWGP世界王者をあと一歩まで追い詰めました。
まさかのその場飛びムーンサルトには「ロアってこんな事できたの!?」と意外な身体能力には驚かされたし、強烈過ぎるシットダウン式パワーボムのロアのパワーには改めて驚かされました。
カミゴェを受けそうになった際には、棚橋弘至を彷彿させるかの様な両腕をクロスしのてガード。 それでも打たれた場合には、タイミングを合わせてスピアーをカウンターで決めるなど・・・この日のロアは相手の動きを良く見ていました。
飯伏vsロアで起こるとは思わなかった、リバース・フランケン合戦まで飛び出し 普段は余り表に出しませんが、ロアの身体能力は侮れません
フィニッシュを狙ったエイプシットこそ防がれて、最後は遂にカミゴェを喰らって撃沈してしまいましたが、恐らくあの場面でエイプシットさえ決まっていれば、この試合の勝者はタンガ・ロアだったでしょう。
普段はGoDとしてタッグをメインに活動していますが、飯伏相手にあそこまでやれたのなら、シングルでも充分やれる事の証明になったし、身体能力やテクニックも申し分ありません。
何より この日の飯伏との試合は熱かった!!
あんなに熱い試合ができるのなら、タンガ・ロアはシングル路線に行っても面白そうだし もっと上も狙える筈です。
層の厚い新日本でトップに登りつめる事は難しい事ですが、ジェイ・ホワイト、ウィル・オスプレイ、バッドラック・ファレ、ジュース・ロビンソン、デビット・フィンレーら新日本のトップ外国人が殆ど来日していない現状は、ロアにとってはチャンスとも言えます。
仮にそうなった場合は、タマ・トンガとの関係は気になる部分ですが、やはりもっと野心むき出しで、上に食らいついていくタンガ・ロアを観てみたいですね。
タッグチームを大事にするのは良いですけど”タッグだけ”に拘る必要は、どこにも無いですからね。
この日 間違いなくタンガ・ロアは、覚醒したと言えます。
この飯伏戦を観て ロアに可能性を感じた人は多いと思いますが、その要因の一つにセコンドに邪道を付けていながらも、どんなにピンチの局面になっても一切の介入や反則に頼らなかった事。
タマの方にも言える事ですが、このG1は悪い事は一切せずに己の肉体のみで闘っています。
バレットクラブで内紛が起きそうな予感のEVILらハウス・オブ・トーチャーとの差別化を図っているのかも知れませんが、少なくとも観ているファンに与える印象は全く違います。
そして同時に、反則や乱入無しでも これだけ出来るんだと言う事を示したのは大きいでしょう。
敗れてしまったとはいえ、この勢いを消さずに外国人トップと言わずに、新日本のトップを本気で狙いに来れば、面白くなりそうです。