今では日本マット界の盟主として日本随一のメジャー団体である新日本プロレスですが、これまで倒産の危機に陥り、低迷していた時期が何度もありました。
その度に危機を乗り越え、復活するのですが、記憶に新しい所では2003年~2010年頃まで続いた暗黒期と呼ばれた頃。
あの頃は観客動員も酷いものだったし、一部のビックマッチを除いては会場の盛り上がりも殆ど無く お通夜の中で試合をしている様な事も何度と無くありました。
人気選手の相次ぐ退団や中途半端な格闘技路線が原因だったと思われますが、その時期の新日本を救ったのは、若き日の棚橋弘至。
勿論他の選手やスタッフの尽力もありましたが、棚橋はエースとしてリング上で活躍しつつ、練習で身体をきちんと作りながらも、休日も返上で大会PRや営業活動に走り回っていました。
そう新日本が、再び黄金時代を迎える事を夢みて。
そして努力が実り、ブシロードが新日本のバックについた事もあり、新日本はどの会場でもギッシリのお客さんが詰めかける黄金時代を迎える事になります。
しかし そんな黄金時代に導いた棚橋にも確実に、年齢やコンディションの悪化から来る衰えが、確実に迫っていました。
2016年頃からでしょうか。
後輩のオカダや内藤やEVIL、SANADAらの台頭もあり、少しは棚橋の肩の荷もおりたのかも知れませんが、徐々に棚橋の活躍が減ってきます。
明らかに動きも悪くなってきて、コンディションの悪化は、誰の目にも明らか。
“棚橋限界説”も密かに囁かれますが、そんな時に世界中がコロナ禍により、興業会社はのきなみ大打撃を受けてしまいます。
興業の自粛要請
収容人数の上限設定
試合数の減少
そして新日本自体の後味の悪い試合連発も相まってか、3年前までは想像できない程に観客数は激減。
新日本に限った事では無いですが、世界的な厄災なので、しょうがない事ではあるんですが、暗黒期の再来と言われる迄に新日本は再び危機を迎えています。
大箱の連発も満員には程遠い状態で、コロナ禍により離れていったファンも居るだろうし、現在の新日本は客足を戻す事を最優先として、会社を何としても立て直さなければいけません。
かつて新日本がピンチに陥った時、棚橋弘至が決起して 自己犠牲も厭わぬ精神で会社を立て直した様に、いま再び棚橋弘至が立ち上がり、その決意を口にしました。
今年に入ってからは、徐々に復調の兆しを見せコンディションも良くなってきているのか、動きにキレが戻ってきて遂にはIWGP USヘビー級を奪取。
メットライフドームのメインも見事に努めあげた今だからこそ、声を大にして言えたのでしょう。
「もう一回新日本を復活させるまでボクは退きませんから」
長年の激闘により何度も手術を繰り返した肘や膝は、既にボロボロだし年齢的な事も考えると、棚橋がトップ選手として居られる時間は決して多くはないでしょう。
それでも棚橋の求心力は、ボロボロの今でも新日本随一。
棚橋には余り身体を酷使して欲しくは無いですが、新日本がこう言う時だからこそ「棚橋なら何とかしてくれる」そう思ってしまいます。
トップでなければリング上から、団体や選手達を引き上げることも、観客に向かって愛を叫ぶ事も出来ません。
自分のキャリアを懸けて、新日本をもう一度復活させると言う強い決意。
新日本を復活させるまでは、トップで在り続けると言う強い決意。
棚橋の言葉からは、並々ならぬ決意を感じるし、棚橋がこう言う決意を述べる事で、ファンは安心します。
棚橋弘至ならば、きっと新日本プロレスを再び黄金期に導いてくれるでしょう!