思えば2012年のレインメーカーショック以降の新日本プロレスで、大舞台でメインのリングに立っていたのは、圧倒的にオカダ・カズチカでした。
毎回あれだけのパフォーマンスを見せてくれていたら、オカダのポジションに文句のある人も余り多くはなかったでしょう。
しかし昨年2020年の1.5東京ドームで、内藤哲也とのIWGP二冠戦に敗れてからと言うもの、すっかり大舞台での活躍はなくなってしまいました。
新技のマネークリップを投入した事で、代名詞でもあるレインメーカーを封印してしまい豪快に相手をなぎ倒す姿が見れなくなってしまうのですが、勿論マネークリップが駄目と言う訳ではありません。
只 これまで必ず見せていたレインメーカーや、その直前に見せるレインメーカーポーズが見られないのは、寂しい物がありましたね。
気がつくと、いつの間にかオカダに以前の様な輝きは無くなっていたと言うか、精彩を欠いていたような気がします。
東京ドームで、ウィル·オスプレイやジェフ·コブの強豪外国人を倒したりしているので、決してオカダが弱くなった訳ではありません。
しかし それらの試合は、タイトル戦でもなければメインでもない試合。
大一番のニュージャパンカップ決勝でEVILに敗れ、IWGP世界ヘビー級選手権でも鷹木信悟に敗れてしまい、以前の様な勝負強さは無くなってしまったのか、メインのリングで勝てなくなったオカダは、必然的に定番の「金の雨が降るぞ!」を叫べなくなっていました。
コロナに感染してしまい、本調子とはいかなかったと言うのも原因かもしれませんが、新日本のメインストーリーに余り絡んでこれないオカダには、物凄い違和感がありました。
そして迎えた2021年のG1クライマックス。
オカダの公式戦初戦は、IWGP USヘビー級王者の棚橋弘至。
久しぶりの対戦ですが、世代を越えたライバルとの遭遇に、オカダは燃えました。
これまでの対戦時には無かったマネークリップで棚橋を苦しめると、ハイフライフローをディフェンスして最後は、必殺のレインメーカーを解禁して 29分36秒 残り時間わずかな所で、このリーグ戦の初っぱなにしヤマ場といえる棚橋戦に、貴重な白星を挙げました。
リーグ戦で言えば単なる一勝
しかし この一勝は今のオカダにとっては大き過ぎる一勝です。
以前まで新日本の絶対王者だったオカダ、かつてはACEだった限界説の囁かれた棚橋。
そんな状況が長く続いていましたが、いつの間にか棚橋は甦り、オカダは低迷してしまい完全に立場は逆転。
その中で迎えた棚橋戦だったからこそ、オカダには思う所もあったのかも知れません。
凱旋間もないオカダの全てを受け止め引き上げたのは棚橋。
レインメーカーショックのあの日と同じ大阪での決戦。
今回は棚橋がオカダを引き上げたのか
オカダが棚橋を前にして爆発したのか
ここ最近のオカダは、レインメーカーとしての影をすっかり潜めていましたが、この日に関しては、かつてのレインメーカーがそこに居た様な気がしました。
「G1クライマックスに金の雨が降るぞ!!」
久しぶりに、いつものあの言葉で大会を締めたその姿は、正しく かつてのレインメーカーでした。
コロナ禍やリング上でのゴタゴタのせいで観客動員も伸び悩む現在の新日本が再び盛り上がるには、レインメーカーの力は、やなり必要不可欠。
待ちに待ったレインメーカーの大逆襲が、始まろうとしています!