保永昇男のジャンピングネックブリーカー

ジャンピング・ネックブリーカーと言えば、一昔前に比べたらすっかり最近では目にする機会の少なくなった技の一つ。

有名な使い手と言えば、アニマル浜口、剛竜馬、小原道由、ケンドー·カシン等の名前が挙げられると思いますが、この中に置いても一番の使い手と言えば

やはり保永昇男

彼を置いて他には居ないと思います。

 

突出した運動神経やパワーを持っている訳でもなく、決して派手な技を使う訳でもない保永ですが、卓越したインサイドワークで試合を組み立て 要所要所で飛び出すジャンピング・ネックブリーカーは絶品の一言。

その切れ味は凄まじく、他の選手と比べても保永が抜きん出ているように感じるのは、ただ腕を相手の首にかけるのでは無く、しっかりと腕を巻き付けるように決めるから、説得力も増しているのかも知れません。

 

それまで、のらりくらりとラフファイトを織り交ぜ闘っているのに、急にトップスピードで決めるジャンピング・ネックブリーカーが反撃の起転となる事も少なくありません。

使い方にしても通常の走り込んで決めるタイプから、カウンターで決める形、コーナーから飛んできた相手に仕掛ける迎撃形などバリエーションも豊富。

 

トップ・オブ・ザ・スーパーJr.を優勝して、何度もIWGPJr.ヘビー級を奪取したりと、間違いなく新日Jr.のトップの一角ではあった保永ですが、気が付くと勢いが落ちて地味なポジションに落ち着く事もしばしば・・・

しかし希に今までの影の薄さが、嘘の様な強さを発揮する事があり、この辺りは白かった頃の蝶野正洋や、エル·サムライに共通する物がありました。

 

1997年にサムライを撃破して、悲願のIWGPJr.ヘビー級王者となった大谷晋二郎が、新王者のお披露目とも言える最初のシリーズの何の変哲もないタッグマッチで、保永のジャンピング・ネックブリーカーの前に、まさかのフォール負けを喫してしまったた事があります。

これには驚きました。

まさか新王者が、いきなり負けてしまうなんて・・・ 

 

確かにこの結果には驚きましたが、この結果にも納得させるだけの保永の秘めた実力とジャンピング・ネックブリーカーの説得力が、そこにあった事は確かでした。

 

そんな保永も1998年には引退してしまい、保永のジャンピング・ネックブリーカーは見れなくなってしまいましたが、引退後はレフリーに転向し 2020年の獣神サンダー・ライガーの引退試合でレフリーを務めた際には、感慨深いものがあった物です。

盟友であり好敵手であったライガーの引退試合

出来る事ならどこかのシーンで、保永レフリーのジャンピング・ネックブリーカーが炸裂しないかと期待していたのですが、引退してから22年も経っているし、さすがに有りませんでしたね(笑)

 

まぁ わりと本気で期待していたんですけど。