9月4日 新日本プロレスのメットライフドーム
2連戦の初日のトリを飾るのは、IWGP USヘビー級選手権
棚橋弘至ｖｓ飯伏幸太の一戦
棚橋は８月14日にアメリカの地で、日本人初となるIWGP USヘビー級を獲得し、帰国後これが初の新日本登場。
対戦相手の飯伏も7月25日の東京ドームのメインに、出場が予定されていながらも 直前に誤嚥性肺炎に侵され無念の欠場をしてしまい 今回が復帰戦となります。
その飯伏の代打に東京ドームのメインに、当日に急転直下で棚橋の出場が決まった経緯が有る訳ですが、飯伏としては不本意ながらもドームのメインに穴をあけてしまった事で、関係者や他の選手 そしてファンに大きな迷惑をかけてしまった事は、非常に心苦しかった事と思います。
そんな飯伏の悔しさを全て受け止める為に、自らの持つUSヘビー級に飯伏を逆指名し、それに飯伏が応える形で史上初となる、日本人同士のUSヘビー級選手権が実現しました。
試合前から涙ぐんでいる飯伏の姿を見ると 込みあげて来るものがありましたが、飯伏本人も色々と思う所があったのでしょうね。
コンディションに関しては、誤嚥性肺炎からの復帰では、スタミナや試合勘も鈍っているだろうし、以前の様なパフォーマンスをこの復帰戦で見せろと言うのは酷な話で、実際に試合が始まると若干 身体の重さも目立っていました。
いつもの飯伏に比べて 若干跳躍力が足りない・・と思う所もありましたが、試合が進むにつれて棚橋が飯伏を引き上げたのか・・・飯伏がリングに上がった事で覚醒したのか・・・徐々にギアが上がって来ます。
ここいらは、流石に供に超一流のプロレスラー
復帰戦だからと言って自らに甘える事無く いつも以上のパフォーマンスを見せようとする飯伏。
復帰戦だからと言って情けをかける事無く いつも以上に全力で厳しい攻撃を見せる棚橋。
そんな2人の想いが交錯したからこそ、これが復帰戦とは思えない凄まじい闘いとなります。
ノーガードのエルボー合戦も見応えがありましたが、飯伏も絶好調とは言えない状態で、三角飛びケブラーダまで披露した場面には、飯伏の”覚悟”を見た気がしました。
一方の棚橋の掴まれた両腕をクロスして、膝蹴りの軌道を封じる”カミゴェ封じ”は、単純明快ながらもお見事でしたね。
最終的には、棚橋がハイフライフロー2連発で、飯伏を振り切り王座防衛に成功しています。
ここ最近の棚橋は、IWGPヘビー級やNEVER無差別級を獲っても 初防衛戦でやれていたので、久し振りの初防衛は本人としても完全復活の手応えは感じたでしょう。 身体も随分絞れていたし「100日後に仕上がる棚橋」計画は、まあ成功と言って良いでしょう。
試合時間にして17分47秒。
最近の30分越えが当たり前の、新日本のタイトルマッチのメインにしては、試合時間が短いですが、さすがに呼吸器系が弱る誤嚥性肺炎で一ヶ月以上も休んでいたのだから、スタミナが落ちているのはしょうがないですね。
むしろ そんな状態で、あそこまでの試合を見せてくれた飯伏が、本当に凄いと思います。 試合時間が長ければ良いと言う訳でも無いし、17分の試合でも見所も生き様もしっかりと見せて頂きました。
7年振りのメットライフドームのメインを締めるのに相応しい、好勝負だったと思います。
試合後の感極まった表情で、棚橋に感謝の念を表す飯伏も 声を出せないファンの代わりに「おかえり飯伏！」と声を大にする棚橋 そして再戦を約束する2人と、その全てが2人の関係を物語っています。
このメットライフドーム後に控えるのは、G1クライマックス
次のステージに向けて 新たな闘いは始まっています。
ここからの飯伏幸太の巻き返しに、期待大です。
本当におかえりなさい！ 飯伏幸太！！