8月21日のDDT 富士通スタジアム川崎大会は、満員の観衆を集め竹下幸之介の王座奪回と言うハッピーエンドの大成功に終わりました。
一番注目されたのは、やはりメインのKO-D無差別級選手権ですが、そことは違う流れが展開され 今後が注目を浴びています。
第1試合の10人タッグ戦でデビューした「10代プロジェクト」のエル・ユニコーン(13)とイルシオン(18)の二人。
高校を出てすぐに、プロレス入りをすれば18歳と言うのは普通ですが、ユニコーンの13歳とは驚きです。女子プロレスでなら小学生レスラーとかも居ますが、日本の男子プロレスでは、初めてのケースです。
10代プロジェクトを発足したので、これからは13歳や 更に下の年代のレスラーもデビューしてくる事になるかも知れません。
今回デビューした2人は、予想外の動きを見せ 異次元の空中殺法を披露。
ユニコーンは、華麗なラ·ケブラーダを披露したかと思えば、イルシオンの肩の上に立ち そこからのダブルニースタンプで押し潰し見事なフォール勝ち。
新人離れした動きを見せました。
この試合には「SPEED」元メンバーで自民党の今井絵理子参院議員の長男・今井礼夢(16)も出場しており、何と10代が三人も揃っていて、まるでDDTの未来を見ているかの様でした。
さすがに彼等は、線はまだまだ細いですが、デビュー間も無いので、そこはこれからでしょう。
後は必要以上に、派手な技に頼らずに若い内に基本的な動きや試合運びを学んでいけば、若さと言う武器が有るのでDDTの未来は非常に明るいでしょうね。
彼等のファイトは、高木三四郎社長も絶賛。
「本当に凄い動きだった。発想がゲームとかから来てるから、我々には想像もつかない動きをしますよね。一層、10代プロジェクトに力を入れていきたい」と語った。
そこで明かした新プランが、10代限定の新王座設立。
このプランを聞いて思い出すのは、かつて新日本プロレスに存在した30歳以下のIWGP U-30無差別級王座。
あれは中邑真輔が、僅か23歳であっという間に最高王座のIWGPヘビー級を奪取した為に、U-30の存在意義が揺らいでしまう事態に陥り、数年後には封印状態になってしまったと言う過去があります。
しかし最高王座に、どうにか手の届く20代と違い 10代限定の王座となれば、話も多少変わってくるし日本マット界でも初となる試み。
何より若い選手用の王座と 10代プロジェクトがあれば、これから若い選手もどんどん増えてくるだろうし、団体の活性化にも繋がります。
イルシオンに至っては、若手用のベルトに甘んじる事なく「10代の内にKO-Dを狙う」と息巻いており頼もしい限り。
さすがに、10代で団体の頂点は難しいかも知れませんが、仮に10代でKO-Dを獲ったとしてU-20の存在価値が揺らいだとしても 頼もしい新星が現れたのなら、それはそれで良い事です。
未来のプロレス界を担う若い選手達の凌ぎ合いや発展途上の姿を見るのも プロレスを観る一つの楽しみです。