NOAHの8月15日のカルッツかわさき大会で、NOAHとZERO1を股にかけた二冠王が、誕生しました。
GHCナショナル王者の杉浦貴
世界ヘビー級王者の田中将斗
弾丸ヤンキースとしてタッグ王者にも輝いた事のある両者ですが、過去にも2度のシングルを行うなど、組む事もあれば対角線のコーナーに立つ事もあり その度に激しい戦いを繰り広げてきました。
今度はお互いがベルト持っているタイミングで、対決の機運が高まった中でのダブルタイトル戦。
お互いに、激しいバチバチを生業とするレスラーだけに、闘えば凄まじい消耗戦となるのは必然。その予想通りに全ての持てる技を繰り出し 互いの掟破りまで飛び出し最後は、杉浦の奥の手の雪崩式オリンピック予選スラムで、激闘に終止符が打たれました。
GHCナショナル王座&世界ヘビー級王座の2冠王 杉浦貴の誕生です。
凄まじい激闘でしたが、試合が終わればノーサイドで勝者を称える敗者の姿も素晴らしく 勿論それは、勝者の杉浦にしても同じ事で、そこには最大限のリスペクトも充分に感じられました。
死力を尽くして満足のいく戦いをする事が出来た2人だからこその信頼感と尊敬・感謝それらの全ての感情が、そこには確かにありました。
団体の威信をかけた2冠戦と言うのは、とてつもなくリスクが高く この試合を闘った2人には素直に拍手です。
ナショナル王座も今では素晴らしいタイトルですが、NOAH内の位置付けとしてはGHCヘビー級が団体最高王座。一方の田中の持つ世界ヘビー級王座は、紛れも無くZERO1の最高峰王座なので、リスクとしては田中の方が高かった様に思いますが、そんな状況の中で、このリングに立ったからこそあれだけの激闘になったのでしょう。
団体の王座と威信をかけて闘ったダブルタイトルとしては、近年まれにみる位に清々しい闘いだったと思います。
ギスギスした闘いも面白いですが、こういうスポーツライクなプロレスも良い物です。
そこで、気になるのは当然今後の流れですが、形としてはNOAHに流出した至宝を誰が奪回するのか?
田中のリマッチが組まれるのか?
象徴の大谷晋二郎が出陣して来るのか?
それとも未来のZERO1を担う若い選手が、出て来るのか・・・非常に気になる所ではありますよね。
そして今回の勝者杉浦は、9月に控えたN-1の全勝優勝を宣言。
その後ろに見据えるのは、当然NOAHのもう一つの王座・丸藤正道の保持するGHCヘビー級王座です。
こちらには、つい先月に挑戦して敗れたばかりなので、ここで再挑戦して一気に3本のベルトを手中に収めたい筈。
同様に田中もN-1出場が決まっているので、世界ヘビー級を失った物の優勝する事が出来れば、今度はGHCヘビー級奪取のチャンスが巡って来る事になるので、何が何でも優勝を果たしたいでしょう。
この2人の視線だけで見ても今年のN-1は、見所に溢れています。
年齢を微塵も感じさせない2人の闘いは、プロレス界にも大きな刺激となるでしょうしNOAHにとっても間違いなく起爆剤にも成りえる ベストバウト級の一戦でした。