予備動作や遊びの多いエルボードロップと言えば、プロレスファンなら大体が真っ先に、ロック様のピープルズエルボーを挙げると思います。
あれ程 遊びの多いエルボードロップは有りませんからね。 元ネタの武藤敬司のフラッシングエルボーでも無駄(プロレス的に良い意味で)な動きでは有りますが、ピープルズエルボー程 無駄(プロレス的に良い意味で)に動いてはいません。
結果的には肘を落とすだけなのに、無駄(プロレス的に良い意味で)に動き回る技のNo.1は、ピープルズエルボーで間違いないでしょう。
しかし それに負けず劣らずの超動き回る技があります。
石森太二のスーパースターエルボーです。
ここ10年位で、プロレスファンになった人は見た事もないと思いますが、石森がデビュー間もない2004年の新日本参戦時から 2006年のNOAH参戦頃までメインフィニッシュとして頻繁に使用していた技です。
相手を倒しておき フルスピードで、ロープ間を往復からのハンドスプリングで着地後に、後方一回転半しながらエルボードロップを落とすと言う離れ技です。
始めて見た時は、余りに凄い技だったので、衝撃だったのを今でも覚えています。
まぁプロレス的な、魅せる部分に特化した技でも有るのですが、ピープルズエルボーと決定的に違うのは、予備動作にきちんと意味があると言う事。
ピープルズエルボーだと予備動作が遅いので、エルボードロップに対してなんの付加効果もありませんが、スーパースターエルボーはフルスピードでロープのバウンドを利用しつつ、後方回転で更に勢いを付けたエルボードロップなので、派手すぎる見た目相応の破壊力を持ったエルボードロップだと思います。
しかも忘れてはいけないのが、スピード感が凄まじいので、非常に映えると言うこと。
当時ロン毛でイケメンの石森が、これをやっていたのだから そりゃあ格好良かったですよ。
まぁ予備動作が大きい事には変わり無いので、そこを突かれる事は多かったですが、そこはしょうがないですね。
NOAH Jr.の激しい闘いに身を置く中で、自身に掛かる負担も大きすぎる為か、いつしか450°スプラッシュやレヴォルシオンに必殺技の座を奪われ 現在ではブラディークロスと言う自身に負担の少ない絶対的な必殺技も会得している為に、スーパースターエルボーを使う事は、残念な事にすっかり無くなってしまいました。
でも いつの日か大舞台での切り札として 数年ぶりに公開してくれる事を密かに願っているんですけどね。