YOSHI-HASHIの奥の手のカルマ。
2012年に、オカダ・カズチカと供に凱旋帰国して以降長い間 鳴かず飛ばずの期間を送っていたYOSHI-HASHIが、2016年に初めて掴んだG1クライマックス出場の大チャンス。
そのG1で爪痕を残す為に、編み出した技がカルマでした。
G1出場にこぎ着けるまでが、本当に長かった。
大体の選手は凱旋帰国した年か、翌年にはG1出場のチャンスが与えられる物ですが、YOSHI-HASHIの場合は、5年目にしてようやく掴んだビックチャンス。
これまで相当な焦りもあっただろうから、初出場のG1にかける想いは相当な物だったでしょう。
しかし公式戦初日の相手が悪すぎた。
バレットクラブの新リーダーとなったケニー・オメガが対角線に立ちます。
いくらJr.ヘビー級から転校してきて 半年ちょっとの選手と言っても あのバレットクラブを率いる選手で、尚且つ棚橋弘至との王座決定戦を制してIWGPインターコンチネンタル王者にも輝いた強敵。
YOSHI-HASHIが勝つと思って試合をみていた人は殆ど居なかったと思います。
それだけ両者の間には、歴然たる差が存在していました。
しかし本当に、プロレスは何が起こるかわからない。
今まで見せた事の無い驚異的な粘りで、オメガの猛攻を凌ぐと このG1の為に開発したカルマを初公開し オメガの脳天をマットに突き刺し まさかまさかの大金星を挙げてしまったのです。
これには誰もが驚きました。
昨年からG1に出場していた本間朋晃も2年目のG1にしてようやく初勝利を挙げているので、初出場の初公式戦で、しかもあのオメガを相手の勝利とくれば、新必殺技カルマのお披露目としては、充分過ぎるインパクトがありました。
この技を習得してからのYOSHI-HASHIは、大舞台に上がることも多くなり 確実にステージを一段上がったと言えます。
しかしYOSHI-HASHIにとって運が悪かったのは、2年後の2018年に鷹木信悟が新日本に参戦してきた事。
もともと本人同士の接点は殆ど無いのですが、カルマと同型の技のMADE IN JAPANは、YOSHI-HASHIよりも遥か昔から使用していたので、鷹木信悟がオリジナルとなります。
勿論YOSHI-HASHIが、鷹木の技を知っていたか定かではありませんが、思いっきり技が被ってしまう事態となってしまいました。
しかも悪い事に、鷹木はMADE IN JAPANを更に進化させラスト·オブ·ザ·ドラゴンを最上級フィニッシャーとしている為に、大一番でMADE IN JAPANが炸裂しても試合が終わる事はありません。
YOSHI-HASHIの最強の奥の手は、鷹木の繋ぎ技と同じと言う形になってしまったのです。
「マジかよ…」
YOSHI-HASHIの心の声が聞こえてきそうです。
とは言っても これからYOSHI-HASHIがカルマを大事に使い続け 勝負所でカルマで星を積み重ねたなら、そんなイメージも一掃できるかも知れませんけどね。
しかし 以前に比べて 最近カルマの使用頻度が微妙に減って来ているような気がするのは、気のせいでしょうか?