武藤敬司が先月のGHCヘビー級選手権で、丸藤正道を相手に二度と出せないと思われていたムーンサルトプレスを発射した事が大きな話題となったのは記憶に新しいですが、7月9日 武藤が今後のムーンサルトプレスについて口を開きました。
「もう、やらねえよ。あれで、最後だ」
と実に晴れ晴れとした表情で、自らのキャリアの象徴的な技であるムーンサルトプレスの永久封印とも言える宣言しました。
「こうしてインタビューを受けていられるのも、運が良かったからにすぎねえんだよ。もし運が悪かったら大腿骨がボキッと折れて、一生歩けなくなっていたかも知れねえ」
こう語っていた様に、2018年に両膝に人工関節を入れてからは、医者から絶対に使用禁止が出ていた技なので、今回使用した事は本当に紙一重で、医者からも相当叱られたと言います。
武藤の話にある「大腿骨が折れて二度と歩けなくなる」と聞くだけでもゾッとしますが、よくもまあ こんな状況に自分がありながら あの場面でムーンサルトプレスを打てたな・・・と武藤のプロ根性には脱帽です。
しかし人工関節と言う物は、交換がきかないらしく一度壊れたら最後 本当に歩けなくなるので、それを考えると ムーンサルトプレスを見られない事に関しては残念な気持ちはあっても武藤ファンとしては、今回の決断は嬉しく思います。
両膝さえ無事なら 最低でも武藤のプロレスは、まだまだ見れますからね。
その点についても「ずっと武藤の試合を見ていたいから、月面水爆はもうやらないでくれ」と言う声が多かったそうです。
全く同感です。
それを聞いて ムーンサルトプレスを使った事を「後悔した」と言う武藤は、今回の決断に至った訳で、やはり武藤ファンならば いつまでも元気にプロレスを続けて欲しいですからね。
かつて「足の一本くらいプロレスにくれてやる」と武藤は語っていましたが、本当にリング上で、両足が使えなくなる武藤は見たくありません。
武藤はこれまで両膝に負担のかかる技だと分かっていながら ムーンサルトプレスを使い続けてきたし 人工関節にしたら歩けなくなる可能性がありながらもムーンサルトプレスを使いました。
それも全て 武藤のプロレスラーとしての信念から来ていた物でしょう。
自分で選んだ道なので、そこには1mmの後悔も無かったと思います。
ですが、今回の事で武藤が口にした「後悔した」と言う言葉。
自由気ままで、周りの事よりも自分中心と言われてきた武藤ですが、そんな武藤にもファンの声は、確実に届きました。
自分の為に悲しんでいるファンが、多く居た事は武藤の心に響きました。
以前に封印したムーンサルトを今回は解禁してしまいましたが、今度こそ間違いなく永久封印となるでしょう。
2021年6月6日の丸藤正道戦
あれが武藤最後のムーンサルトプレスです。
完全に自身の代名詞と決別を決意した武藤の今後は、どうなるのか気になる部分ですが「変な話、6~7割の力でお客を手玉にとれるようなレスラーになりたくて、今までやってきた訳じゃん。それなのに120%出した時点でさ。美学に反する? そうっすね。それに、月面水爆に匹敵できる技や展開を作れない自分の未熟さというか・・・」
何も心配する必要も無さそうですね。
武藤敬司は58歳にして まだまだ進化する気満々のようです。
もしかしたら今後 新しい必殺技や 新しいムーブがお披露目されるかも知れません。
プロレス界No.1のムーンサルトプレスを失いはしましたが、いずれ訪れる引退するその日まで、進化が止まらないプロレスラー 武藤敬司からますます目が離せません。