永田裕志のバックドロップホールド

永田裕志は、各種ナガタロックをはじめとした多くの技を使いこなしますが、その中でも最も必殺技としてランクの高い技が、バックドロップホールドです。

 

1998年に凱旋を果たして以降 必殺技として使い続けていますが、それまではバックドロップホールドと言えば、ジャンボ鶴田の専売特許とも言える位の鶴田のイメージが強い技でした。

小川良成も使用はしていましたが、小川の場合は抱え込み式のバックドロップホールドだったので、この時期は鶴田もフェードアウトしていた事もあり、通常の胴をクラッチするバックドロップホールドは、日本マット界でもほぼ空き家状態だったと思います。

 

団体も違えば世代も違う鶴田と永田ですが、若手時代の永田は、その経歴やどこなく顔立ちが似ていた事から 接点もほぼ無いにも関わらず鶴田二世と言われていた事もありました。

レスリング仕込みの強靭なブリッジを利したバックドロップホールドは、永田ならではのピッタリな技だったので、永田がここに着目したのは必然的だったと言えるでしょう。

 

ここ数年の永田は、第一線から退いてはいますが、完全に決まりさえすれば、今でもバリバリの選手からフォールを奪えるバックドロップホールド。

実際に2016年のG1では、内藤哲也やEVILを倒し NEVER戦でも柴田勝頼をバックドロップホールドで倒す等して 今でも高い破壊力を誇っている事を証明しています。

 

しかし使い始めた頃から一撃必殺だった訳ではありません。

永田のバックドロップホールドと言えば、敢えてブリッジを崩して 身体を捻って全体で相手を押さえ込むのが特徴的ですが、初期の頃は普通にブリッジしてホールドしており カウント2でフォールを返される事も珍しくありませんでした。

現在の形になったのは2002年の佐々木健介とのIWGP戦からで、それ以降は一度もフォールを返された事がなく勝率100%を誇る文字通りの必殺技となりました。

 

美しいブリッジで押さえ込むのも良いですけど、多少ばかり不格好でも何が何でも これで勝つ!と言わんばかりの執念の押さえ込みって感じなので、永田のバックドロップホールドは結構好きな技だったりします。

やはり一撃で決めれる技を持ってる選手は、強いですね。

 

それだけに、バックドロップを連発して相手を追い込むも最後は、やられてしまうと言った試合の時は「あの時ホールドしてれば!」と思う事も多々ありますが、そう言うのも含めて永田の試合が、面白い理由なのかも知れません。

でも やっぱりバックドロップ連発は、程々にして貰って せいぜい三発目位で、しっかりホールドして永田に勝利して貰いたい気持ちは、今でもありますけどね。