丸藤正道のタイガーフロウジョン

数々の独創的な技とオリジナル技を編み出している丸藤正道ですが、個人的に彼の技で一番好きな技は、タイガーフロウジョンです。

タイガーフロウジョンは、言うまでもなく丸藤の師匠でありNOAHの創設者である三沢光晴の得意技タイガードライバーとエメラルドフロウジョンを融合させた技ですが、まぁ2つの技を融合させて一つの技にするってのは、プロレスでは良くある事。

しかし 持ち上げかたからして全く違う この2つの技を融合させてしまった丸藤のアイディアには、脱帽です。

 

丸藤は紛れもなく三沢亡き後のNOAHを継承する人間で、三沢の意思を受け継ぐ選手。

他にも三沢の意思を継ぐべくエメラルドフロウジョンやタイガードライバー、タイガースープレックス、ローリングエルボーなど三沢の代名詞だった技を継承した選手は、数多くいますが継承した上で融合させた事で、そこに自分だけの色を加えてしまう辺りは、やはり丸藤は天才なんだなと思います。

 

三沢が亡くなった数ヵ月後に初公開し、その翌年の2010年に新日本プロレスで、IWGPJr.ヘビーを奪取した時の技もタイガーフロウジョンだったのですが、NOAHのライバル団体である新日本の王座をこの技で獲った事にも丸藤ならではのメッセージがあった様な気もします。

 

この技の仕掛けは、リバースフルネルソンで持ち上げてから反転させて エメラルドフロウジョンの体勢に抱え直すと言う技の特性上 難易度は高くズバリと決まらない事もあります。

思いっきり崩れたサイドバスターの様になっちゃって どう見ても今ので3カウントは取れないだろう…と言う決まり具合の時も多々ありましたが……

「三沢の意思を受け継いだ技」

ただそれだけで、熱戦に終止符を打つだけの説得力はあったと思います。

決まり具合で言うなら 三沢の本家エメラルドフロウジョンも晩年は、しょっちゅうサイドバスターみたいになってましたからね。

 

それでも技の形や経緯も含めて好きな技だったんですけど、丸藤のヘビー級転向に伴い 対戦相手もヘビー級が中心となったので技自体が掛けにくい事が要因かもしれませんが、最近ではタイガーフロウジョンを出す機会は、めっきり無くなってしまいました。

似た系統で、ヘビー級相手にも仕掛けやすいポールシフト式エメラルドフロウジョンの開発も大きな要因かも知れませんね。

 

それでも やっぱり好きな技なので、いつか引き出しを開けてタイガーフロウジョンを見せてくれる事を今でも密かに期待しています。