世界最大規模のプロレス団体WWE
プロレスラーとして最終目標にWWE入団を掲げ、その為に最初は他団体でWWE首脳陣の目に留まる為に、キャリアを積もうと言う選手も多い一方で、当初はWWEに行く気も無かったのに、素質やキャラクターを認められてスカウトされるパターンも中にはあります。
みちのくプロレスの新崎人生は、正にそのパターンで、1994年末に全身にお経を施した奇抜な出で立ちに、その特異なキャラクターをWWE首脳陣に高く買われ 1995年の1月には、WWEとの契約に至ってます。
今でこそ珍しくはありませんが、当時としてはインディー団体の選手が、世界最大の団体に移籍するなど物凄い事だったのですが、その反面みちのくプロレスに対しては「ここで新崎人生が抜けて大丈夫なんだろうか?」と言う不安はありました。
団体としては、貴重なヘビー級の人材が移籍してしまうのは、痛手だったでしょうから。
しかし快く人生を送り出した みちのくプロレスは素晴らしいです。
一度退団して海外に渡った選手が、またみちのくプロレスに戻ってきてくれる保証など どこにも無いし 海外で失敗して大きくブランド力を落とす事だって考えられます。
実際に一度WWEに行って日本に帰ってきた選手で、元いた団体に帰ってきた選手は殆ど居ないですからね。
でも人生は、ハッキリ言いました。
「心はみちのくにあり」
団体としてもファンとしても 不安が全く無かった訳では無いでしょう。
しかし人生の この言葉に救われた人も多い筈です。
人生の意思を尊重した会社も
それを応援したファンも
みちのく愛を口にし、必ず戻ってくると約束した新崎人生も皆が素晴らしかったと思います。
そして人生は、1996年に新日本の東京ドームで、かねてからの目標だったグレート・ムタとの対戦を実現させる為に一時帰国。
ムタには完敗を喫しましたが、試合後に「新たな旅に出る」と・・・WWEと再契約をしない事を明言。
あの時の約束通り 人生は本当にみちのくプロレスに帰ってきました。
新たな旅の場として みちのくを選んだのです。
リップサービスか 気持ちが変わっただけなのかは知りませんが、退団する際に「必ず帰ってくる」と約束する選手は結構居ますが、その約束を守った選手は、なかなか居ません。
「心はみちのくのあり」
人生のこの言葉に、嘘偽りはありませんでした。。