かつて全日本プロレスを支えたのは、三沢光晴、川田利明、田上明、小橋建太の四天王と呼ばれた四人ですが、一括りに四天王と言ってもその評価には大きな開きがあったと思います。
常に四天王のトップだった三沢は別格として 川田、小橋も新生全日本とNOAHで、それぞれ絶対王者と呼ばれる程の活躍をしています。
田上の場合は、三冠もGHCも両方獲った事は有りますが、いずれも短期政権に終わり 団体の顔になった事は、一度もありません。
その実績だけで、評価に繋がっているんでしょうか?
確かに、実績は一つの目安ではありますが、選手がどれだけ実績を積めるか…は運や団体の方針なども絡んでくるので、それだけで選手を評価してしまうのは、無理があるんですよね。
でも実際の評価や格付けを考えると
三沢→川田・小橋→→→田上
こんな感じなんですよね。
田上以外の3人は、見る人によって順番は前後するかも知れませんが、田上が一番後ろなのが一般的な評価でしょう。
でもハッキリ言って田上明は、良いレスラーだと思います。
191cmの日本人レスラーとしては恵まれた体格に加えて、大相撲出身だけあって柔軟な身体を持ち 身体能力だって悪くありません。
小橋が努力で身に付けたパワーならば、田上は生まれ持った天性のパワー
プロレスの技術も高い方だと思います。
三沢のダイビングネックブリーカーを喉輪落としで切り返したシーンは、痺れました。
三沢以下の3人で、一番最初に三沢越えを果たしたのも田上。
そして断崖式、大車輪喉輪落とし、筑波薪割り、俺が田上、秩父セメントと田上の技には、意外にもオリジナルが多く アイディアマンでもあるんですよね。
これだけの良い要素があって田上のあの評価は、イマイチ納得出来ない部分は、未だにあります。
闘魂三銃士との比較をされる場合なんかは、人数を合わせる為に、四天王で除外されるのは100%田上ですからね。
田上が好きで、あの評価に納得が出来ないからって こんな事を言ってる訳ではありません。
何なら四天王の中で、一番好きじゃないのは田上ですから(笑)
好きではないけど、それとこれとは全くの別問題ですから。
強いて言うなら上昇志向と言うか 欲が余り無かった事が欠点でしょうか?
川田なんかは、三沢には何としても勝ちたい!って意地が伝わってきたし 小橋にしても常に頂上を目指していた感はありますが、田上に関しては、その手の意地が見えたのは1991年に、川田と抗争していた時位じゃないでしょうか?
その後は、自分が置かれているポジションに満足していた様な気はします。
人間的には温厚で、凄く良い人なんでしょうが、プロレスラーとしては余りにも無欲で、それが良くなかったのかも知れません。
恐らく田上が、本気になってもっと欲を出していれば、数年に一度噴火する田上火山なんて言われる事も無かったと思います。
強欲なまでに、王座やリーグ戦優勝を獲りに来る「常に噴火状態」の田上明を一度は見てみたかったです。
だって沈静化するの早いんだもの。