長い歴史を持つプロレスですが、その反面マニアックとも言えるスポーツだけに、批判的な意見や誹謗中傷の的になる事も少なくありません。
プロレスファンなら長くやっていれば誰でも一度は
「何でロープに振られたら戻ってくるの?」
「何で相手の技を避けないの?」
プロレスに余り興味の無い人から こんな質問をされた事が有ると思います。
そんな時に、皆さんは何と答えているのでしょうか?
相手を納得させれるだけの説明を上手く出来なくて もどかしい思いをした人も多いでしょう。
週刊大衆のプロレス記事で、天龍源一郎は、”相手の技を受ける”事について こう語っていました。
「よけられないんですよ。よけたら負けなんですよ。一度やっちゃったら、こいつにはもう勝てないって思っちゃう。俺はね」
無骨な天龍らしい言葉ですが、下手に言葉を濁した説明をするよりも こうハッキリ言った方が、スッキリすると思います。
プロレスとは「究極の我慢比べ」「究極の意地の張り合い」と言った人が居ますが、確かにその通りで、相手の必殺技を敢えて受けて尚も立ち上がって再び闘う。
特殊と言えば特殊ですが、日頃鍛えた肉体と精神力を最も発揮できるスポーツだと個人的に思っています。
中には「所詮プロレスだから…」「台本があるから」と馬鹿にする人も居ますが、それでも相手の技を正面から受けたり・・・高い所から後頭部から落とされたり・・・それだけでも凄い事な筈です。
全てのスポーツの中で、最も受け身を取って常に身体を削っている事は、間違いないでしょう。
勝負論にこだわる人は「相手の技を受けてたら勝てない」と言うでしょうが、プロレスの基本は、相手の技を受けても闘い続ける事
その点についても天龍は、こう語っています
「それで負けたら「ああ、俺が弱いから負けたんだな」って思うだけでね」
天龍は、どこまでいっても天龍です。
プロレスを表現した言葉であると同時に、天龍源一郎と言う男を表現した言葉でもあり、プロレスの凄さも醍醐味も 全てこの言葉の中に、集約されていると思います。
こう言うコメントを見ると Mr.プロレスと呼ばれていたのも伊達じゃないなと感じますね。