棚橋が作るNEVERの世界

1月30日に、新日本プロレスの愛知県大会で行われたNEVER無差別級選手権

鷹木信悟vs棚橋弘至

物凄い闘いでした。

 

この両者の初シングルと言うだけで、興味を引く物はありましたが、NEVERのタイトル戦は歴代王者がそうだった様に、バチバチ系の色が着いてしまっています。

もともと そう言う位置付けのタイトルでも無いし そう言う戦いをしなきゃいけない訳でもありませんが、今の棚橋がNEVERの闘いに入っていけるのか?

そう言った心配は、確かにありました。

王者・鷹木が、名勝負製造機なのは周知の事実なのですが、今回の一戦に関して名勝負になるかどうかは、全て棚橋のコンディションにかかっていたと言っても過言ではありませんでした。

 

年齢や長年の激闘による怪我からの コンディション悪化は、そう簡単に良くなる物ではありませんが、棚橋はやはりACEと呼ばれた男。

 

素晴らしい試合でした。

 

全盛期に比べれば動きが悪いのは、当たり前ですが、現在の棚橋が見せれる全てを出しきり 最高の試合をやってのけました。

その上で、必殺のハイフライフローから堂々の王座奪取。

文句無しです

ここ一番での安定した強さを見せる棚橋は、まだまだ新日本のACEに相応しい男でしょう。

 

しかも意外だったのは、試合内容

普段の棚橋らしい足攻めを中心に、試合を組み立てていたかと思えば、終盤戦では鷹木と打撃の応酬

そして棚橋が、滅多に使わないラリアット!

 

自ら踏み込んだのか、鷹木に触発されたのかは分かりませんが、この試合終盤の棚橋は明らかに、NEVERの世界に踏み込んでいました。

もともと棚橋は、意外と打たれ強い方でしたが、まさかここまでNEVER寄りの試合をするとは、思ってもいませんでした。

 

MADE IN JAPANも垂直に落とされ かなり厳しい攻めをされましたが、それにも屈せず NEVERの領域に踏み込み しっかりと必殺技で勝利したのだから 太陽はまだ沈んでいない事を証明した一戦だったでしょう。

 

そして気になるのは、これからのNEVERの方向性。

歴代王者がNEVERで、繰り広げてきた闘いは主にバチバチ系。

しかしNEVERに踏み込んだとは言え 本来は真逆のファイトスタイルをする棚橋が、NEVERに染まる必要まではありません。

 

これからは、棚橋ならではの闘いを見せてくれれば良いし 棚橋色がNEVERの新しい色になれば良いと思っています。

もしかしたら NEVERがIWGPヘビー級と大差の無い印象になってしまう可能性もありますが、それならそれでしょうがないでしょう。

その時は、NEVER王者として IWGPに負けない輝きを放てば良いだけです。

 

棚橋ならば、それも可能だと思います。

IWGPヘビー級こそが、最高であり最強であってほしいとは思いますが、それぞれの王者がそれぞれのフィールドで、切磋琢磨していく事が新日本の発展に望ましい事は、言うまでもありませんから。

 

棚橋クラスの選手が、NEVERを巻いた事によって新日本の管理タイトルのランク付けが、大きく変動する可能性もあります。

ひょっとしたらビックマッチで、IWGPやインターコンチネンタルを差し置いてNEVERが、メインを努める日が来るかも知れませんね。