中西学のブルドッキングヘットロック

かつては必殺技と言われた技でも 相手に研究され尽くされたり、受け身の進歩などにより必殺技としての輝きを失ってしまった技は、プロレス界には、腐る程あります。

 

ブルドッキングヘットロックもその一つで、1990年代には必殺技としてはおろか、使われる事すら ほぼ無くなりかけていた技です。

凱旋まもない頃の佐々木健介は、使用する事もありましたが、やはり繋ぎ技扱いで、いつしか使われる事もなくなっていきました。

 

個人的な事を言えば、決して難易度の高い技ではないので子供の頃のプロレスごっこで、良くやっていた記憶があります。

それだけに、実際にプロレスで見れなくなっていったのは、少なからず残念な気持ちでしたね。

 

しかし2000年代に入ってからのプロレスに復活した時は、少し嬉しかったのを覚えています。

2001年の新日本vs全日本の歴史的対抗戦の一つで、次々新日本の選手が、全日本に敗れて行く最中で、新日本の意地を見せたのが、当時第三世代でトップを独走していた中西学でした。

 

相手は、全日本の外国人エース格の一人 マイク・バートンでしたが、中西が今までフィニッシュにした事は、一度も無いブルドッキングヘットロックで、バートンにフォール勝ちしたのです。

これには当時驚きました。

ブルドッキングヘットロック!?

アルゼンチンじゃなくて!?

 

今まで散々アルゼンチンに、誰よりも強い拘りを見せて来た中西が、こんな技をフィニッシュに使用して来た事は確かに驚きでしたが、古き良き技を現代に復活させると言うのは、好きだったし中西のこの技のチョイスには、ベストだと思いましたね。

今まではアルゼンチン一本で、フォールを奪える技を殆ど持っていなかったので、この手の技は中西にとって大きな武器になります。

何より豪快で、荒々しい感じのブルドッキングヘットロックは、中西のイメージにピッタリでした。

 

その後も何度か使用を続け、シングルで永田裕志からブルドッキングヘットロックで、フォールを奪う等した事から 中西の新必殺技になる物だとばかり思っていました。

 

しかし何故か それ以来余り使われる事は無くなり年内には、フィニッシュとして使われるのは、無くなったと記憶しています。 

これは非常に勿体なかったな・・・と今でも思うのですが、何が原因なんでしょうかね?

 

現代でフィニッシュにするには、いささか地味すぎたから?

 

理由はイマイチ分かりませんが、その数年後には富士山ジャーマンやヘラクレスカッターを習得した事で、ブルドッキングヘットロックは更に、忘れられた存在となっていき、最終的には使用すらされなくなってしまいます。

やっぱり勿体なかったですね。

 

上からドン!とかよりブルドッキングヘットロックを大事にして欲しかったんだけどなぁ・・・