虎伝説第2章が始まった日

新日本プロレスで、世間を巻き込む程のブームを引き起こした初代タイガーマスクがリングから突如 姿を消して1年。

1986年8月26日

全日本プロレスのリングに、タイガーマスクが現れた日です。

 

とは言っても あのタイガーマスクではなく

虎の仮面を継いだ2代目です。

 

タイガーの人気に目をつけた ジャイアント馬場が、全日本にも2代目としてタイガーを登場させようと計画していた時に、そのマスクを被る人間として白羽の矢を立てたのが、当時 海外遠征中だった若手の三沢光晴でした。

三沢の元に、国際電話をかけた馬場は、おもむろに「コーナーの上に立てるか?」と聞くと「はい」と三沢は答えた物の、何故こんな事を聞かれたのか分からないまま 突然の帰国要請を受ける事になります。

 

2代目タイガーマスクの話を聞いたのは、帰国後だと言うから なかなか行き当たりバッタリな話ですが、こうしてアニメ同様に2代目タイガーが誕生する事になりました。

三沢は若手の頃から そのセンスを馬場に高く評価されており 運動神経も抜群だった事から馬場が三沢をタイガー任命したのは、当然とも言えるでしょう。

川田利明もああ見えて何でも器用にこなし、蹴りに関しては三沢より遥かに上達が早かったらしいですが、身体能力と言う面に関しては、三沢が抜きん出ていたので、やはり三沢が適任だったと思います。

 

そして迎えたデビュー戦

対戦相手は、ラ・フェイラ

正直 初代のデビュー戦の様なインパクトを残したとは言い難いですが、やはり三沢のポテンシャルは抜群でした。

明らかに初代を凌ぐ体格であるにも関わらず それでいて軽い身のこなしに、初代には無かった独特の動き

後の三沢を彷彿させるムーヴ。

ノータッチで放ったトペ・コンヒーロは、特に見事でした。

 

そして初代とは違うオリジナルのクラッチでのタイガースープレックス84で、デビュー戦を勝利で飾ります。

ここから初代から引き継いだ 虎伝説の第2章が始まる事となります。

 

初代と違って決して無敵のヒーローではありませんでしたが、その分 等身大のヒーローと言えたでしょう。

初代の宿敵・小林邦明に敗北

タイガースープレックス85の開発

小林邦明に雪辱

ヘビー級への転向

怪我による長期欠場

そして団体を救う為に、虎の仮面との決別

 

歴代タイガーで、最もドラマのあったタイガーマスクだったと思います。