三沢光晴のエメラルドフロウジョン

1998年の三沢光晴VS秋山準

新世代の筆頭として成長著しい秋山が、三沢に挑んだ三冠選手権

幾ら若く勢いがあるとは言え 大方の予想は、まだまだ三沢の牙城は崩せないだろうと言う声が多く 戦前の予想は、圧倒的に三沢の防衛でした。

 

まぁ 確かに結果だけ見ると その通りでしたが、秋山の成長ぶりは目を見張る物がありました。

その秋山を振りきる為に、三沢が最後に用いたのは、エルボーでもなくタイガードライバーでもなく この日に初公開となる新技エメラルドフロウジョン。

温めていた新技を出さざるを得ない程に、秋山の成長が早かったと言う事でしょうね。

 

四天王と言えば垂直落下式のイメージが強いと思いますが、実際の所は垂直落下式をそこまで乱発している訳では無いので、三沢が脳天から落とす新技を開発したのは、少し意外でした。

タイガードライバー91と言う とんでもなくエゲつない技を使ってはいますが、あれは通常のタイガードライバーからの派生技と言う事で、ゼロから編み出したエメラルドフロウジョンとは、少し意味合いが違います。

 

三沢としても過激化していく四天王プロレスを危惧していたらしいので、脳天から落とすエメラルドフロウジョンを決して乱発しなかったのは、良かった点だと思います。

NOAH移籍後は、さすがに使用頻度も増えてきましたが、落とす角度は緩やかになり、垂直落下式とは言えない形に変化し、どちらかと言えば変形のサイドバスターになっちゃってました。

これは意図的なのか単なるコンディションの悪化で、相手を持ち上げるのが、キツかっただけなのかは分かりませんが、説得力と言う点はかなり無くなってしまいましたね。

 

それでも三沢のイメージカラーを冠した技だけあって ここからの派生技も複数 編み出したりと変化を加えつつ、ここぞと言う場面で使用していたので、三沢の代名詞と言える技になったのは勿論

NOAHを象徴する技にまでなってしまいました。

 

キャリアの後半で編み出した技が、代名詞的な技になるのは何気に、凄い事かも知れません。

それだけ三沢が、エメラルドフロウジョンを愛着をもって使っていたと言う事でしょう。