プロレス界には、様々なスープレックス技が溢れており 1990年代には、あらかたの形は、出尽くしたと思われていました。
あとは、せいぜいリストクラッチしたり 腕のロックの仕方を変えたり 既存の形に少しのアレンジを加えるのが、限度だったと思います。
しかし2009年に、全く新しいスープレックスが誕生しました。
DDTの両国国技館大会で行われた 飯伏幸太vsHARASHIMAの一戦。
飯伏はHARASHIMAをパワーボムに捉えて 頭上まで持ち上げると首の後ろをロックし抱え込みながら 何とそのまま後方にブリッジを利かせながら投げたのです。
フェニックスプレックスです。
衝撃でした。
もう 既にほとんどの形が出尽くしたと思われていた時代に、全く見た事のない新しい形状のスープレックス。
こんな投げ方があったのか!?
パワーボムの体勢から相手を固める事も
そのまま後方に投げる事も
ロックを解かずに、そのままホールドする事も
この技の全てのアクションが、驚きでした。
これを開発した飯伏の創造力には、驚かされますが、小橋健太のパワーボムからジャックナイフ固めのコンボを学生時代に見て 後方に投げる技だと勘違いしたのが、考案に至ったキッカケだというのが、飯伏らしいですね。
普通の人では有り得ない勘違いをするのが、普通じゃない飯伏ならではなんでしょうが、それを実際に形にして実戦で使用するのが、また凄いです。
かなり コンパクトにまとめた状態で投げるので、衝撃を逃す事が出来ない為に、かなり強烈だと思いうんですが、それ以上に決めた後にそのままガッチリ押さえ込むので、あれは返せないんじゃないでしょうか?
説得力抜群の技です。
相手を選ぶ技ではありますが、新日本のリングでもvsリコシェで披露した時は、ちょっとした感動でした。
DDT時代を知らない あの時の新日本ファンは、驚いたでしょうね。
2015年の東京ドームでの中邑真輔戦でも フェニックスプレックスを狙いましたが、流石にこれは未遂に終わっています。
出来たら中邑に、決めている所を見たかったな~~
現在に至るまで新日本のヘビー級選手に、狙った事も余り無ければ この技を決めた事は一度もありません。
いつの日か 新日ヘビーを相手に、これを決めている所を見たいんですけどね。
決まりさえすれば多分一発で、フォールを取れると思います。
飯伏のこれまでのキャリアを振り返ると 使って来た技は結構多彩なのですが、その反面 使わなくなる技もまた多いのが、残念な部分でもありますかね。