プロレスの世界では「掟破りの○○」と言う様に、挑発行為や虚をつく為に、相手の技を敢えて使用するのは、良くある事です。
数ある掟破りの中でも天龍の掟破りが、流れを含めてカッコいい掟破りでした。
1999年の10月に、佐々木健介vs天龍源一郎の初対決が行われ 何と健介の必殺技ノーザンライトボムで、天龍が初戦を制しました。
健介としては自分の必殺技で負けたので、かなり悔しい展開だったと思います。
その翌月の健介&藤田和之vs天龍&中西学
普通のタッグマッチですが、先月に敗れている健介は、当然ながら天龍を狙いを定めガンガンやりあいます。
今見たら何げに凄いカードですが、当時の藤田はまだキャリア三年のヤングライオン。
この中に入ると見劣りする訳で、まだまだ天龍の相手にはなりません。
中西がコーナーに健介を押さえつけている間に、天龍が藤田にパワーボム
しかし ここでフォールには行かない
藤田を起き上がらせると身動きできない健介の眼前で、再びノーザンライトボムを繰り出したのです。
これは健介にとっては、悔しすぎる展開
藤田にこれをハネ返せる筈もなく 健介はパートナーを見殺しにする事になります。
まんまと健介の眼前で、健介の一番悔しい事をしてやった天龍はマイクを持つや
「健介!ノーザンライトは俺が貰った」
これはカッコいい!
漫画みたいな台詞回しもそうですが、これをやってサマになるんだから天龍には痺れますね。
勿論これには健介も大激怒し 天龍と大乱闘になるのですが、この言葉通り天龍はノーザンライトボムを自分の物として 12月には武藤敬司をノーザンライトボムで撃破しIWGPヘビー級王者となります。
翌年の東京ドームで、今度は健介がノーザンライトボムで天龍にリベンジを果たしIWGP奪還に成功して この抗争は結末を迎えます。
結局 天龍のノーザンライトボムは、垂直落下式ブレーンバスターに改良され最終的には、53歳に進化を遂げていく事になります。
堂々と「貰った」宣言しておきながら ノーザンライトボムをそれ程使う事は、ありませんでした。
まぁ 貰った技だから 後はどうしようが天龍の自由ですからね。
誰もあげるとは、言って無かったですけど。