2016年の東京ドームで、行われたNEVER無差別級選手権
石井智宏vs柴田勝頼
その前日の記者会見での柴田の一言です。
「寿命を削る準備と覚悟は出来ている。あとはやるだけ」
壮絶な覚悟です
柴田は、デビューしてから常に、バチバチやりあい
その身体で、新日本を体現して来た男です。
王者の石井は、柴田の全てを受け止めてくれる選手
柴田がやりたいプロレスに向き合ってくれる選手
柴田が、この一戦を前に燃えない筈がありません。
だからこその文字通り命がけで闘う事を貫く為の あの発言なのでしょう。
言葉だけではなく 本当に凄まじい闘いでした。
時間にして17分19秒
ゴングと同時に、激しくガンガン打ちあい 石井のラリアットと柴田の蹴りが飛び交います。
試合の中で、交代で自ら胡坐をかいて背中を蹴らせると言う 見ているだけで痛くなってくる とんでもない意地の張り合いも繰り広げられました。
あのダダっ広い東京ドームに、打撃音が響くのだから受けている両者は、タマッた物では無かった筈です。
しかし一歩も引かない2人。
こんな闘い方は、効率が悪いし身体にダメージが溜まる一方なので、本来なら意味は全く有りません。
でも 真正面から戦う事を信条とする2人は、何が有っても絶対に引きません。
2人にとっては、”引く”事が、試合での負けよりも本当の意味で、負けた事になるからです。
柴田も石井も凄いレスラーです。
最後には柴田が、PKで石井を降し キャリア初となるシングル王者となりましたが、あれだけの試合をしたのだから 負けた石井にしても試合結果を除けば悔いは、無かったでしょう。
見出しのあの言葉は、柴田だけでは無く 石井も同じ気持ちだったと思います。
マイクを持って覚悟の言葉を言うだけなら誰でも出来ますが、柴田の言葉にウソ偽りはありません。
この日の様な闘いを続けていれば 確実にレスラーとしての寿命は縮まります。
2016年は一年を通して 柴田はNEVER選手権を戦い抜きましたが、全ての防衛戦が、命を削るかのような激しい闘いでした。
そんな闘いを続けて行くうちに、2017年に遂に試合後に倒れ 緊急搬送される事態となってしまいます。
急性硬膜下血腫と診断の結果 開頭手術をしてどうにか一命を取り留めましたが、2020年現在も復帰は出来ていません。
場所が場所だけに、正直言って復帰は難しいかも知れません。
しかし本人は、現在LA道場のコーチとなっているも
今でもプロレスラーである事に、拘り続け1mmも復帰を諦めていません。
まだまだ寿命を削る覚悟を持っています。
決して無茶は、して欲しくは無いですが
柴田が、その覚悟を持っている限り応援しつづけます。