2004年
当時のプロレス界は、とんでもない逆風の中を進んでいました。
総合格闘技の台頭 K-1の大流行で、プロレスは胡散臭いだの八百長だの昔から言われていた決まり文句が、更に強くなり この頃は、風当たりが特に強くなっていました。
そんな中 プロレスとK-1の二足の草鞋を履いていたボブ・サップが、新日本プロレスの至宝IWGPヘビー級を奪取し その直後に、K-1軍となったのです。
これは新日本としては、一大事でIWGPが他団体ならいざ知らず 他格闘技のK-1に流失したのと同じ事なのですから。
そこで新日本にIWGPを取り戻すべく 立ち上がったのが、若き日の中邑真輔でした。
そしてサップに向かって
「K-1とかPRIDEとか良く分かんねぇけど、一番スゲェのはプロレスなんだよ!」
K-1やPRIDEの驚異にさらされながら 見下されてきたプロレス
でもプロレスに誇りを持ち 他の格闘技には、決して負けない魅力があると信じて疑わない中邑
そんな中邑だからこそ、あの場面であの言葉が出てきたのでしょう。
「一番強いのはプロレスなんだよ」と叫んで欲しかった人も多かったかも知れません。
でも一番スゲェのはプロレス
これも事実。
総合格闘家達は基本的に、プロレスは余り出来ませんから。
プロレスのリングに上がった事は、多々ありますが、ちゃんとプロレスを出来ていたのは、ドン・フライくらいだった様な気がします。
フライにしても元々プロレスは、好きだったそうですからね。
真後ろに頭から投げられる
垂直に脳天から落とされる
場外に向かって飛んでいく
こんな事を日常茶飯事でやっているプロレスラーは、やっぱり凄いんです。
強さとは違うベクトルで、勝負するのも良いでしょう。
若くしてIWGPヘビー級王者となり 新日本を背負う重圧を背負わされ、総合格闘技に出撃して アレクセイ・イグナショフを撃破する実績を残した中邑
プロレスと格闘技
この両方を経験し 実績を残した中邑だからこそ言える言葉であり 説得力もあるのでしょう。
しかし この頃の中邑は、正統派だったのに何であんなにイヤォな人になったの(笑)