ベイダーのリバースパワーボム

1994年頃になるとプロレス技も様々な形に派生していき、相手の身体を裏返しに決める・・・いわゆる”リバース式”と言うのも多数登場していました。

色々な技にリバース式が応用されたのですが、まさかパワーボムのリバース式まで登場するとは思いもしませんでした。

 

ビックバン・ベイダーのオリジナル技で、1994年にUWFインターナショナル参戦時に、垣原賢人を相手に初公開。

この初公開の場所が、また凄いですよね。

レギュラーだった新日本や全日本やNOAHではなく、よりによってUWFのリングで、パワーボムを・・・しかもリバース式なんて ガッチガチのプロレス技をやっちゃうのだから、有る意味凄いと思います。

その意外性や話題性を狙っての事なら、ベイダーやはり凄いレスラーです。

 

相手の背後から胴体に両腕を回して、腰を抱えたまま宙吊りにすると高々と抱え上げて、そのままパワーボムの要領で、うつ伏せで正面に叩きつける豪快な技。

こんな技をUWFでやっちゃうのだから、当時の衝撃は物凄かったです。

分裂したUWFの中でも、ダブルバウトがあったり技大性を重視したりと、U系の中では一番プロレス寄りな部分が有ったUインターでも、リバースパワーボムの公開は驚きでした。

 

これには初公開の餌食になった垣原も初めて喰らう技に、さぞ驚いたでしょうね。 今まで食らった事のないタイプの技だけに、垣原はこの一激で完全にKOされてしまいました。

 

当時は、ベイダーもフィニッシュにこそしていませんでしたが、パワーボム自体は得意技にしており、誰も予想していなかったリバース式と言う形で、バリエーションを増やしてみせたのはお見事。

「パワーボムってリバース式で出来るんだ~」と言う驚きがありました。

 

Uインター勢は、受け身の技術に関しては決して高くは無かったので、この技を初めとした
ベイダーのパワー殺法は、脅威だった事と思いますが、1998年に全日本に参戦した際は、四天王達は受け身の達人であるにもかかわらず、何故だかこの技は使う事はありませんでした。

これは少し勿体無かったかな?

高い技術でしっかりと受け身を取ってくれる三沢光晴や小橋建太を相手にする時こそ、こう言う技を存分に使える時なんですけどね。

 

この技は、有る意味では「リバース式」の可能性を広げた技だと思っています。