秋山準の得意とするエクスプロイダーの上位技である雪崩式エクスプロイダー。
この技は好きな技ではあるんですが、納得いかない事が一つあります。
それは技のランクが思いのほか低い事。
普通は必殺技を雪崩式に進化させたのなら、奥の手とも言える扱いになっても良さそうな物ですが(最近では一概にそうとは言えませんが) この技に関しては、それ程高い位置にランク付けされている技とは思えません。
もちろんフィニッシュになった事は、何度かあります。
秋山がGHCタッグを初戴冠した時や、ここ一番で使われた事は何度かありましたが、強敵とのシングルマッチなどの奥の手として使われた技は、リストクラッチエクスプロイダーやスターネスダストが殆どなんですよね。
強力な技を他に持ってるからと言うのも理由かもしれませんが、1997年に雪崩式エクスプロイダーが初公開された時には「これからはこれが秋山の最強の武器になる!」と思っていました。
…と言うのも初公開は三沢光晴戦だったのですが、当時の秋山にとって三沢は高過ぎる壁で、まだ一度も勝った事の無い相手。
その壁を乗り越えるには、秋山も更に強力な技を編み出す必要があったのでしょう。
そこで開発されたのが、雪崩式エクスプロイダー。
当時はリストクラッチエクスプロイダーもスターネスダストも無かった時代で、正調式のエクスプロイダーも現在より説得力があった時代です。
それだけに雪崩式の一発は、物凄いインパクトがあったし、まず この時の三沢の落ち方が凄かった。
と言うかヤバかったんです。
あの高さから三沢の頭が、垂直にマットに突き刺さり、「三沢が死んじゃう!!」と本当にヒヤリとする位の一撃でした。
首に大ダメージを受けながらも、試合に勝った三沢は流石としか言い様がありませんが、余りにエグ過ぎる為にこれ以降しばらく雪崩式エクスプロイダーは使われる事は無くなってしまいました。
NOAHに移籍以降は、何度かは解禁された事も有りますが、その頃はエクスプロイダー自体の角度も初期より受け身を取り易い形で投げるようになっていた為に、雪崩式もそこまで危険な角度では無くなっていました。
それもあってか、その後に開発されたリストクラッチエクスプロイダー等に「奥の手」のポジションをすっかり奪われてしまった感があり、雪崩式エクスプロイダーは滅多に出さないけど、そこまでランクの高い技では無くなってしまった感があります。
個人的には、永田裕志が正調式のエクスプロイダーのみならず、雪崩式までポンポンと安売りしちゃったのも原因の一つなんじゃないかな?と思っています。
雪崩式エクスプロイダーと言うネーミングに関してですが、初公開時は一部では「エクスプロイダー97」とも呼ばれていました。
これはこれで、三沢イズム全開って感じ良かったんですけどね。
残念ながら この名称は定着しませんでしたが、仮にこれが定着していたら翌年に公開されたリストクラッチエクスプロイダーは、恐らく「エクスプロイダー98」と呼ばれていた事でしょう。