一昔前ならプロレスに興味の無い人でも 名前くらいは聞いた事があったであろう外国人選手と言えば、アブドーラ・ザ・ブッチャーの名前を挙げる人も多いでしょう。
その名前も見た目もインパクト抜群ですからね。
ヒールレスラーとしてのブッチャーは、立ち振る舞いからファイトスタイルまで、ヒールとしての他の追随を許さない程に説得力に溢れている 昭和を代表するヒールレスラーでした。
そのブッチャーの必殺技と言えば、これまた説得力充分のエルボードロップ。
通称・毒針エルボーです。
ブッチャーの唯一無二のフィニッシュホールドで、150kgの体重で押し潰してくるエルボードロップは見るからに強烈そのもの。
倒れ込むだけではなく あの体型で対角線からきちんと走りながら、ジャンプしてエルボードロップを打っているのだから大した物です。
しかもフォームが美しい!
破壊力は抜きにしても、ブッチャーに体重を掛けられたフォールを返すのは難しいでしょう。 ブッチャーが晩年に差し掛かった90年代前半でもその威力は健在で、当時は発展途上中だったとは言え、勢いに勝る田上明や小橋建太も一撃でやられています。
あのジャイアント馬場をして「まともに食らったらまず返せない」と言わしめた程の正に文字通りの必殺技でした。
90年代の全日本プロレスが、四天王を中心になった頃には、既にブッチャーは全日本からフェードアウトしていたので、四天王との絡みは有りませんでしたが、出来る事なら四天王と呼ばれるまでに成長した田上や小橋との試合も観てみたかったですね。
毎日のように激しい試合をしていた田上や小橋は、毒針エルボーを食らったらどうなってしまうのか?
大技を食らい慣れている彼らは、毒針エルボーをも当たり前の様に、カウント2で返してしまうのか?
時代の最先端を行っていた四天王プロレスを持ってしても 激動の昭和において一撃必殺の価値を保ち続けた毒針エルボーの前には、一撃で沈んでしまうのか??
妄想がつきません。
時代は平成になろうが、令和になろうが昭和の必殺技の幻想は、未だ消えません。