2.4全日本プロレス八王子大会で、三冠ヘビー級王者選手権が行なわれ王者・宮原健斗が、今勢いに乗る新鋭・青柳優馬を下し、見事にV4に成功。
全日本の未来形ともいえる頂上決戦は、成長著しい青柳が素晴らしい戦いを見せました。
何と必殺のシャットダウンジャーマンまでもカウント2で返す粘りを見せ、その後の猛攻では宮原ももう一歩まで追い詰められました。
しかし そこは流石に今まで全日本を支えて来た王者宮原
青柳のスピンキックを回避してからの再度のシャットダウンスープレックスで投げて ようやく3カウントを奪い苦戦はしたものの、どうにか王座防衛に成功しています。
これぞ「現在進行形の残日本!」とも言うべき試合でしたが、王者に安息の時などありませんでした。
リング上で勝ち誇る宮原の前に、早くも次のチャレンジャーが姿を現したのです。
永田裕志です
現在 全日本に参戦中の新日本プロレスの”ミスターIWGP”こと永田裕志が、次期挑戦者として名乗りをあげて来ました。
「1月3日、ち、挑戦表明し…たら『ホームに居場所がないやつの挑戦は受けない』と言いやがったな。だが、心配するな。2023年、新日本から、最高な契約を貰ったよ。お前は、こうもい、言った。アン…タはどんな時も全力だと。いずれ受け、ると言った。あんまりしゃべると噛むから、端的に言ってやる。次の挑戦者は俺だ」
と何故かドモりまくりながらの挑戦表明。
このマイクの噛みまくりは、ネタなのかガチなのか・・・これはこれで有る意味 斬新な挑戦表明でした(笑)
これに対して宮原は「永田裕志さんよ。アンタのホントの狙いを俺は知ってるぞ。新日本プロレスのIWGP、ノアのGHC、全日本三冠ヘビー級のグランドスラムを達成する為だけに挑戦したいんだろ? アンタは昭和の匂いがするんだ。このプロレス界、昭和の匂いがするプロレスは終わりを告げる」
「プロレスの日に勝負しよう。昭和のおじさんに相応しい2月19日、プロレスの日に勝負だ」と永田の挑戦を受諾。
19日の東京・後楽園ホール大会での王座戦が決定的となりました。
永田の挑戦は素直に嬉しいですね。
「昭和の匂いのするレスラー」大いに結構です。 時代は令和になり、現在のプロレス界は新時代を迎えているかも知れませんが、その中に置いても昭和のプロレスを感じさせる選手は貴重な存在。
昭和を感じさせる永田と選手権を行なう事で、全日本の現在進行形のド真ん中を走る宮原とて 感じる物があれば学ぶ物もあるでしょう。
個人的に第三世代の復権を願っているという事もありますが、やはり ここは永田のグランドスラムにも期待してしまいます。
グランドスラムも昨年に小島聡が達成した事で、既に4人が達成している為に、もはや目新しさはないですが、それでも偉業は偉業。
まぁ そんな事は宮原本人や全日本サイドからすれば、一切関係の無い話ではあるんですが・・・
でも永田程の実績を重ね プロレス冬の時代を支えたレスラーには、グランドスラムと言う形で実績を再評価されて欲しい気もするんですよね。 最も今を走る宮原が、旧世代の・・・しかも他団体の永田に敗れて王座流出となってしまっては、エースの立場がないのでそうは簡単にもいかないでしょうね。
宮原の強さも本物なので、永田にとっては苦しい王座戦になるでしょう。現に昨年の王道トーナメントでは、両者のシングル戦が実現しており、その時は宮原が勝利しています。
そういう意味では、永田にとってはあの時のリターンマッチとも言えるので、ますます何が何でも勝ちに行きたい試合で有る事は間違いありません。
一方の王座戦で敗れた青柳は「俺はまた、アナタが持つそのベルトに挑戦したいんだ。だから永田裕志に負けないでくださいよ、〝大将〟。もう小さい枠なんか、今の全日本プロレスに必要ない。一緒に全日本プロレスを盛り上げる為だけにやって行こうぜ」と宮原にエールを贈ると同時に、共闘の呼び掛け。
これに宮原も呼応した事で、全日本に新たな流れが生まれましたが、とりあえず敵対関係では無くなったので、ノアの東京ドームでトリオを組む際に、どうやら仲間割れの心配はなさそうですね。
宮原と青柳の共闘
ここから全日本は、新たな流れに突入して行く事になりそうですが、仮にここで永田に全日本の至宝・三冠ヘビー級王座を奪われる事になったら、また全日本の流れは大きく変わる事になりそうです。
永田の三冠挑戦は、過去に遡れば鈴木みのると諏訪魔に、計2回の挑戦をしていますが、そのいずれも惜敗を喫しています。
今回の王座挑戦が、自身のキャリア最後の王座挑戦となる可能性もあるだけに、永田としてはもはや何も失う物も無い一戦。
昨年の6月から全日本に継続参戦をしている永田が、ここで三冠奪取という最高の形で、実を結ぶ事が出来るのでしょうか?
永田裕志”54歳”にして最高の王者に、最大の挑戦です!