いまや天山広吉の代名詞となった技と言えば、2003年にスランプの中で開発し、多くの大舞台でギブアップを奪ってきたアナコンダバイス。
そんなアナコンダバイスも派生技が複数編み出されて 現座では実に様々なバリエーションが存在します。
その派生技の中でも個人的に一番好きなのは、アナコンダマックス。
相手と向かい合わせの体勢から、コブラクラッチの要領で上半身を固めつつ 袈裟固めで締め上げる変形のアナコンダバイス。
天山が2014年のG1 CLIMAX開幕戦で
初公開して難敵カール・アンダーソンを仕留めている。
この時期の天山は、年齢やコンディション的な問題から結果が付いてこなくなりつつあったのに対して、アンダーソンは徐々に頭角を表してきて新日本のトップクラスからも白星を奪い出していた頃。
それだけに天山が、アンダーソンから新技で勝利をあげたのには、第三世代健在!を証明するには、充分だったと思うし、何より天山の底力が見れたようで嬉しくもありました。
この時が、天山はアンダーソンから初勝利だったというのは少し意外ですが・・・
そして この時同様に天山が嬉しい勝利を挙げてくれたのが翌2015年のG1。
とにかく不調にあえいでいた天山に対して 同ブロックの内藤哲也はあろうことか、かつての師匠に対して
「天山?もう終わってる」
と痛烈なコメントを発してしまったのです。
確かにこの時期の天山は、コンディションも悪く G1にはエントリーされてはいる物の上位に食い込むのを予感させるだけの活躍は出来ていませんでした。
加えて内藤は、この時期にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを結成したばかりなので勢いの差は歴然。
事実 最終戦で内藤vs天山が組まれた訳ですが、ここで勝てば決勝進出が決まる内藤に対して、天山は既に脱落決定。
試合に対するモチベーションという面からも内藤有利は動きませんでしたが、天山は正しく不屈の猛牛でした。
内藤の猛攻を凌ぐと アナコンダマックスで内藤に絡み付き、一気に締め上げると そのままギブアップ勝ち!
優勝戦線には早々に脱落していた天山が、最後に内藤を仕留めたのです。
この時の天山は、かっこ良かった!
アナコンダマックスは、最高にかっこ良かった!!
アナコンダバイス自体は好きな技ですが、このマックスに関してはコブラクラッチで締め上げている為に「相手に巻き付いている」感じがして、数ある派生技の中でも最も勝利への執念が感じられる技だと思います。
それに、あの上半身に巻き付く様は、派生技の中でも最も「アナコンダ」ぽいですよね。
そこが年齢とキャリアを重ねて 哀愁を漂わせていた天山が、上位陣に意地を見せつけ勝利への執念を見せつけた場面に、ピタッとはまって強烈な印象に残ったのかも知れません。
ただアナコンダバイス系の技は、派生技も含めて、総じて上半身がゴチャゴチャしているので、最初は何をどう極めているのか分からない人も多いのでは?
ゴチャゴチャ度で言えば、アナコンダマックスはその点でも抜きん出ているかも。
でも この技大好きです。