小橋建太のスリーパースープレックス

スタンド式のスリーパーホールドから、補助していた方の腕を相手の脇に差し込みクラッチを変えてから、後方にスープレックスで反り投げる危険技。

小橋建太が全日本プロレス時代に編み出したオリジナルホールド。

 

この技を最初に観た時は、微妙な印象でした。

ハーフネルソンスープレックス有るのに、これ要らなくない?

小橋は研究熱心なのは良い事ですが、派生技ならまだしも 全く関係の無い所から出て来た同系統の技は幾つも要らないと思うんですけどね。

 

角度的に少し怖いから好きじゃない技ってのも有るんですけど、クラッチの位置が高い為にかなりの急角度で落ちる事になり、首も完全に固定されている為にスープレックスの中でも危険度は高く、首にかなりのダメージを与える技なので、ヒヤッとする事もしばしばです。

小橋の盟友であり、ライバルでも有ったジョニー・エースの得意技で90年代後半に猛威を奮っていたコブラクラッチ・スープレックスを元に考案したのは明らかですが、危険度が高すぎる為に基本的にはビッグマッチでしか使用されない。

これは賢明な判断ですね。

 

技を出す場合でも、ハーフネルソンスープレックスみたいに何連発もスリーパースープレックスをする事はまず無かったので、そこからも その危険性が分かると思います。

 

その危険度の高さから 受ける相手もほぼ限定されており、この技を仕掛ける相手は小橋が最も信頼を置いている三沢光晴や秋山準が多かったと思います。

2005年の東京ドームで、正真正銘の初対決だった佐々木健介にスリーパースープレックスを繰り出した時は、なかなかヒヤッとしました。

 

これは健介の受け身が、下手と言っている訳ではありません。

 

三沢や秋山と違って 普段からこの技を受け慣れていない健介は、マトモに脳天からマットに突き刺さってしまい 大ダメージを受けているのですが、観ているこちらからしてもスリーパースープレックスを受けた事の無い健介が、この技を受ける場面はなかなかインパクトのある場面でした。

新日本系の健介に対して、スリーパースープレックスは旧・全日本やNOAHでしか出て来なかった技ですから、エキゾチック感というか違和感というか・・・とにかくインパクトが有ったんです。

 

流石に2003年に蝶野正洋と闘った時には、ハーフネルソンスープレックスはあれだけ連発したのに、スリーパースープレックスは一発も出さなかったと事を考えると、首がかなり悪い蝶野にスリーパースープレックスを仕掛けると 選手生命にも関わってしまうダメージを与えかねないからと思ったんでしょうね。

じゃあ同じ様に首に爆弾を抱える三沢はどうなんだよ?となるかも知れませんが、そこは小橋と三沢の信頼関係でしょう。

だからこそ三沢は、スリーパースープレックスを受ける常連さんだった訳です。

 

そんな常連さんになりたくないけど・・・