スティーブ・ウィリアムスのオクラホマスタンピート

ドクターデスの異名をとるスティーブ・ウィリアムスは、強くて怖い外国人を代表するかのような、平成に活躍した強豪外国人レスラーでした。

 

そのウィリアムスから真っ先に連想される恐ろしい必殺技と言えば、殺人バックドロップですが、あのバックドロップは破壊力抜群だし確かに凄いんだけど・・・普通に恐ろし過ぎて余り好きではありません。 

個人的に殺人バックドロップよりも ウィリアムスの得意技で好きだったのは、何と言ってもオクラホマスタンピートです。

 

相手をうつ伏せ状態で、肩の上に逆さまに担ぎ上げて 対角線を走りながら、自分の全体重を乗せてマットに豪快に叩きつける技。

パワーファイターの選手が使う事が多い技ですが、やはり使い手としてはウィリアムスが最も有名な選手でしょうか。

 

殺人バックドロップをメインに使いだすまでは、フィニッシュとして多用されていたのはオクラホマスタンピートで、相手を担いだ際にコーナーに向かって走り背中から叩きつけ、更に対角線のコーナーにももう一度叩きつけるのが特徴でした。

この相手を担いで トコトコ走っていくウィリアムスの姿が、可愛くて何となく好きだったんですよね。

怖いんだけど、可愛かったです(笑)

 

でも走ってる姿が可愛いくて、見た目にはコーナーにチョコンと当ててるだけにも見えますが、実際はウィリアムスの身体とコーナーの間に潰されてる訳だから あれは相当苦しいでしょうね。

息が詰まるんだと思います。 

 

本来は、対角線を走るのを2回繰り返すのですが、相手が抵抗したり時間が無かったりした場合には、叩きつけるのは1回だけだったり、あるいはコーナーに叩きつけるのを省いたりで、状況に応じて色々フェイントを入れる事もあります。

マットに叩きつける方は、言うまでもなく強烈その物でウィリアムスの全体重を乗せられるのだから、直前のコーナーに当てるのも含めて利に叶った圧殺攻撃と言えるでしょう。

 

1990年の世界最強タックの優勝を懸けた一戦では、スタン·ハンセン&ダニー·スパイビーと激闘を繰り広げ、優勝するには引き分けも許されない状況だったのですが、試合時間が残り少なくなってきた中で、選手権があったのはウィリアムスとハンセン。

ウィリアムスにとって、ハンセンはこれまで一度も勝った事がない相手でしたが、最後にウィリアムスがとった秘策は……

 

コーナーに叩きつけるのは、1回のみのオクラホマスタンピートでした。

 

もう一度コーナーにぶつけられると思っていたハンセンは、虚をつかれマットに叩きつけられた事で、想像以上のダメージを受けてしまい まさかのフォール負け。

ウィリアムスは、ハンセンからの初フォール勝ちと 最強タッグ初優勝をもぎ取ったのです。

 

残り時間は僅か1秒。

もしこの時に、いつもの様に2回やっていたなら確実に時間切れ引き分けになって 優勝を逃していた事でしょう。

ウィリアムスが残り時間を意識しての行動だったのかは分かりませんが、本当にまるで漫画の様な展開でした。

 

結構好きな技だったんですけど、数年後には殺人バックドロップにメインの必殺技の座を奪われてしまいます。

オクラホマスタンピートは、相手を抱えて走る動作が、モロに腰に負担を掛けてしまうので、腰を痛めているウィリアムスにとっては良い決断だったかも知れません。

 

走ってる姿が可愛くて好きだったけど。