ジェイのシャープセンセーション

2018年に、海外遠征からスイッチブレイドとして凱旋したジェイ・ホワイトですが、凱旋と同時にトップ戦線に食い込んで来て、バレットクラブのリーダーになるや、新日本プロレスで猛威を振るいまくっています。

 

どの体勢からでも入れる一撃必殺のブレイドランナーをフィニッシュに、緩急のついたダーティファイトと研鑽したテクニックで、まだ20代と思えない老獪な試合運びを見せるジェイのスタイルですが、凱旋直後は今よりももう少し荒々しいものでした。

未来を感じさせる選手ではあった物の 流石に凱旋直後は、まだまだ粗削りな部分もあり、使う技も今よりも荒っぽい物が多かったと記憶しています。

 

その代表格と言える技が、シャープセンセーションでしょう。

 

座り込んでいる相手の背後に回り込み、相手の右腕に自らの右足を引っ掛けてロックしながら 左腕で相手の右腕を抱え込んで 両腕の自由を奪っておきながら、相手の顔面にエルボーを何発も叩き込む。 そのまま後方に倒れ込んでも、ひたすエルボーを打ち続ける拷問技である。

 

凱旋試合となった2018年の棚橋弘至戦で初公開し、大いに棚橋を苦しめた。

自由を奪ってからひたすら、肘を打ち込むだけの単純な攻撃では有るんですが、単純なだけに余計に恐ろしさの伝わる技で、その気になればブレイドランナーを出さずとも シャープセンセーション だけで、普通に3カウントを奪えそうな気はします。

 

ジェイには、必殺のブレードランナーに強い拘りが有り、他の技で本気でフォール勝ちを狙いに行く事は殆どありませんが、普段のタッグマッチ等では、この技でレフリーストップを奪う事は多く、凱旋直後のジェイのブレイドランナーに次ぐ必殺技だったと言えます。

相手がグロッキーになっても技を解いてフォールにはいかず、レフリーが止めるまでひたすら肘で滅多打ちというのも 考えてみたら恐ろしい攻撃。

 

時には必殺のブレードランナーを炸裂させても 敢えてフォールに行かず、シャープセンセーションに繋ぐ非情なパターンを見せる事も有り、これは最初からフォール勝ちなど頭に無く完全に相手を潰しにかかっている行為。

必殺技を炸裂させてからの駄目押しとしては、余りにも強烈過ぎますね・・・

完全にオーバーキルです。

 

勝つ為と言うよりも、ただ相手を痛めつけるだけに繰り出すジェイの狂気が垣間見える技でしょう。  

 

スイッチブレイドの異名に相応しく 情け容赦なくとことん相手を潰しに行く冷酷なファイトスタイルの表れとも言える シャープセンセーションは、この頃の危ない雰囲気を醸し出していたジェイには、物凄くマッチしていた技だったと思います。

現在のジェイは頭を使って闘う事が多くなった分、凱旋直後の危険な雰囲気は少し失われていますが、シャープセンセーションを使う事も余り無くなってしまったのが、少し残念ではあります。

 

ただプロレス技と言うには、野蛮過ぎる技かも知れませんが、ジェイの恐ろしさを伝えるにはうってつけの技ではありますよね。

誰が見たって痛そうな技だし、脱出も難しそうな技なので観ている側からすれば、応援している選手がやられている時の絶望感は凄いし、そういう意味では会場を盛り上げるのに一役買っている技だと思います。

 

しかし この技はエゲつない!!