川田利明のジャンピングハイキック

不器用なキャラで売っている川田利明が、実は意外にも器用なのは有名な話。

そこが先輩の三沢光晴に嫌われる理由の一つでもあるんですが、本当は器用な川田はああみえて色んな技を使いこなします。

ムーンサルトアタックやスペースローリングエルボーの様な華麗な技も 若い頃は普通に使用していたし、力技や関節技も得意だったります。

 

でも そんな川田が使う得意技の中で、個人的に一番好きなのは本当に単純な技ですが、ジャンピングハイキックです。

あれが最も川田らしさを感じさせるし技だし、川田の持ち技の中で最もカッコイイ技だと思っています。

 

三沢がタイガーマスク時代に、後輩の川田と供に蹴りの練習をしに行った際、天才と呼ばれる三沢ですら蹴りに関しては不得意だった様で、なかなか上達しない三沢を尻目に川田は、メキメキと蹴りの技術を習得していったと言います。

そこも三沢が川田を嫌いだった理由の一つかも知れませんが(笑)この時の特訓で蹴りを習得した川田は、試合の中でも積極的に様々なバリエーションの蹴りを使用していきます。

 

ジャイアント馬場は「蹴り」がどうにも嫌いだった様で、川田が蹴りを使う事に対しては反対だった様ですが、絶対的存在である馬場の反対にも負けず、己の信念を最後まで貫き 蹴りを使う事を絶対に、止めなかった川田は凄いと思います。

 

ヘビー級としては小さい部類の川田は、それを補う為に「蹴り」に活路を見出したのでしょうが、得意としていた蹴りの中でも最も効果的だったのが、上背の無さをカバーする為に、ジャンプする事で高さを加えたジャンピングハイキックでした。

フラフラ状態の相手の顔面や後頭部に、連発で見舞う事もあれば 攻撃を狙って走って来た相手に打ち込む一発が効果絶大で、劣勢の状況でもここから良く形勢逆転したり、一発でフォールを奪い大逆転勝利をしたりと、川田利明にとっては無くてはならない技だったと思います。

 

と言っても最初からフィニッシュだった訳では無く、1990年頃は繋ぎ技扱いで川田の格がまだ低かった事もあり、ペースを握り返す事はあっても、フィニッシュになるなんて事は、まず有り得ませんでした。

恐らく初めてフィニッシュとなったのは1992年頃でしょうか
これまで一度も勝った事の無いスティーブ・ウイリアムスに、最強タッグ公式戦でカウンターで叩き込み 逆転勝ちしたのを皮切りに、徐々にフィニッシュとなる確率が高くなっていき 川田のパワーボムと並ぶ必殺技として認知されていきます。

 

三冠ヘビー級初奪取

チャンピオンカーニバル2度目の優勝 

川田にとっての大舞台で、川田を勝利に導いた技と言えますが、有名な所では新日本プロレスVS全日本プロレスの頂上決戦で、佐々木健介を沈めた時でしょうか。

そして、あの橋本真也の袈裟斬りチョップを ジャンピングハイキックで迎撃して、橋本の肩を破壊し欠場に追い込んだ技でもあるので、あの一撃が無ければ、橋本はその後どうなっていたのか・・・と思うと複雑な気分でもあるんですが・・・

 

これまで様々な相手にジャンピングハイキックを叩き込んで来ましたが、その中でも受け手として最も素晴らしかったのは、川田の事が嫌いな三沢でした。

三沢の場合は、身体をよじったり 逃げたり流したりせずに、綺麗に顔面で受けるのでジャンピングハイキックが、三沢を相手にするとより映えていたというのは確かに有りました。

ローリングエルボーを狙って回転した所で、振り向きざまにジャンピングハイキックを顔面にマトモに受けて、綺麗にぶっ倒れた場面なんかは、壮絶でも有り非常に美しい受けだったと思います。

 

 

三沢は「顔面を蹴るのは反則だよ」と言ってましたが

川田は「顔面じゃなくおでこを蹴ってるんだよ」と反論。

明らかに顔面を蹴ってる時も有りましたが、あれは試合中のアクシデントなんでしょうか・・・?

 

蹴りを入れる時のフォームが「K」に見えるとも言われており、デンジャラスKの異名を持つ川田に相応しい 破壊力抜群の技でした。