プロレス界に数々の伝説を残した獣神サンダー・ライガーのデビュー戦は、1989年の新日本プロレス初進出となる東京ドーム大会の事でした。
初代タイガーマスク引退後に、新日本はザ・コブラを作り出すもイマイチ人気も出ずに終わってしまった為に、その数年後に新たなマスクマンヒーローとして作り出したのが、獣神ライガーでした(現・獣神サンダー・ライガー)
なので、新日本としてもライガーにタイガーマスクの様な活躍を期待していたと思うし、実際に対戦相手は初代タイガーのライバルだった小林邦明 しかも東京ドームと言う大舞台。
ライガー本人としても少年時代から初代タイガーに憧れ プロになってからもマスクマンになりたいと言う願望を常に持ち続け 念願叶いマスクマンとしてのデビューも決まったとあっては、当然初代タイガーを意識していた事と思います。
そしてライガーは、デビュー戦を見事な勝利で飾ります。
試合中の動きに関しては、ライガー独自の物でしたが、意識的に早く動こうとしていた感はあり やはりどこかで初代タイガーを意識していたのでしょう。
フィニッシュは相手の左腕を右手で掴んでからリストクラッチで決める 変形の抱え式のバックドロップホールド。
ライガースープレックスで、3カウントを奪いました。
実際の所はどうだか分かりませんが、ここも初代タイガーの影響が有ったと思います。
タイガーマスクの代表的な技と言えば、やはりタイガースープレックスなので、自分も代名詞となる ライガーの名前を冠したスープレックスをフィニッシュホールドに選んだとしても不思議ではありません。
一ヵ月後に、馳浩のIWGPJr.ヘビー級選手権に挑戦した時もライガースープレックスで勝利している事から やはりライガースープレックスを自身最大の必殺技にしていく予定だったのでしょうね。
しかし大一番で、ライガースープレックスがフィニッシュになったのは、これが恐らく最後で、ライガーボムの開発をきっかけに、ライガースープレックスの使用は無くなっていきます。
まぁ これで良かったのかも知れません
正直に言うと それ程カッコイイ技では無かったし スープレックスはライガーのイメージに余り似合ってないし コスチュームで隠れているとは言え せっかくのあの肉体なんだから それを存分に生かしたライガーボムとかの方が、説得力も出せるんじゃないでしょうか?
1990年代前半のライガーは、最後の切り札としてシューティングスタープレスを置き 雪崩式DDT、雪崩式フランケンシュタイナー、雪崩式フィッシャーマンバスターなど新たな必殺技を次々と開発していくので、完全にライガースープレックスは封印状態となり すっかり幻の技となってしまいます。
でも幻の技と言ってもライガーの歴史を語る上では、欠かせない技だと思います。
ライガーに限らずキャリアを重ね 身体に故障も増えて来ると多くの選手が、スープレックスを使用しなくなるので、現役生活の長かったライガーが、ライガースープレックスを封印するのは、遅かれ早かれ同じ事だったでしょう。
でも それでもライガースープレックスが、ライガーの偉大な歴史の一部だった事は間違いありませんけどね。