オカダ・カズチカが、凱旋を果たした2012年。
新日本プロレスに、新たなスターが生まれ 新たな流れが出来つつあった頃 一つの事件が起こります。
新日本と全日本の40周年記念興業として 合同の大会が開かれ目玉カードの一つだったのが、中邑真輔&オカダ・カズチカvs諏訪魔&近藤修司のタッグマッチ。
この試合の見所は、中邑と諏訪魔の対決もそうですが、何と言ってもオカダと諏訪魔の初遭遇。
試合前の記者会見から諏訪魔は、一躍トップレスラーとなっていたオカダを異様なまでに、敵視して「オカダのメッキを剥がす」と宣言。
その言葉通りに、諏訪魔はオカダに対してキツイ当たりを仕掛けていきます。その一方でオカダの技は余り受けなかったりと明らかに、オカダに対して敵意剥き出し。
凱旋間もないオカダに、プロレスラーとしての洗礼を浴びせたと言えば、まだ聞こえは良いかも知れませんが、オカダの良い所を引き出さない様な闘いは、プロレスとしては、好ましくありません。
試合自体は、オカダが近藤を倒して新日本の勝利に終わっていますが、試合後にまで尚も諏訪魔はオカダに突っかかって来る始末。
これに対してオカダは、攻撃を受けながらも徹底的に無視してレインメーカーポーズを決めるなどして潰しに来る諏訪魔には「付き合わないよ」と意思表示
これは、プロのレスラーとして立派だったと思います。
正直オカダと諏訪魔の潰しあいなんてみたくありません。
諏訪魔とオカダのプロレスが、見たかったんです。
試合後に諏訪魔は、これらの行動に対して「ジェラシーを抱いてる新日本の選手の代わりにやってやっただけ」と発言
ぶっちゃけ大きなお世話だと思います。
これには、オカダの相棒として試合に参加した中邑も「恩着せがましく勘違いするな」と激怒
中邑としても諏訪魔との対戦は、楽しみにしていただけに今回の諏訪魔の暴走は許せなかったらしく
「とんだ期待はずれのゴリライモだぜ!」
と諏訪魔をコキおろします。
他団体のエースをゴリライモ呼ばわりとは、なかなかですが「仕掛けてくるなら俺に来いよ!」とオカダを狙った諏訪魔には、怒りをあらわにします。
何かあった時は頼むと言われていたらしく中邑は、諏訪魔が本気でオカダを潰しに来たなら 諏訪魔とガチでやりあう覚悟だったのかも知れません。
この一連の騒動を見て中邑が、物凄く頼もしく見えましたね。
まだ若かったオカダの兄貴分であり 先輩として将来の新日本をしょって立つであろうオカダの盾になる事も辞さない構えを見せた中邑
中邑に守って貰うでもなく 諏訪魔の挑発には乗らずに、プロレスラーとして対応したオカダ
賛否両論はあるかもしれませんが、この日の新日本勢は中邑もオカダも立派でした。
諏訪魔に関しては、その強さは誰もが認めている所なので、オカダに仕掛けたのは「ジェラシーを抱いている新日本の選手」と言うよりは、トップスターになったオカダへの諏訪魔のジェラシーにしか見えなかったです。
もし諏訪魔とオカダの2度目の絡みが、いつか訪れるのなら プロとして相手の良さを引き出す素晴らしい試合を見せて貰いたいですね。
しかし改めて中邑真輔の存在は、色々な意味で新日本にとって大きかったのだと思います。