2012年10月8日
棚橋政弘至のIWGP防衛ロードで、鈴木みのるを歴史に残る激闘の末に、打ち倒して4度目の防衛に成功した時の事です。
これから棚橋の勝利者インタビューが始まろうかと言う時に、現れたのが高橋裕二郎でした。
防衛に成功した王者の元に、挑戦表明しに次期挑戦者が現れて挑発をするのは、良くある事ですが、この裕二郎の挑戦表明は、史上最も憎々しくインパクトもある挑戦表明だったと思います。
先シリーズに、裕二郎は王者・棚橋から タッグマッチながらもジャーマンスープレックスで、完全なフォールを奪っているので元々挑戦資格はある筈でした。
なので、このタイミングで裕二郎が現れるのは、想定内でしたが、マイクを持つや棚橋への挑発が凄かった・・・!
「先シリーズ 俺がお前に勝った過去は消せない。お前にはよぉ もう一つ消せない過去があったよな? まぁよ恥じる事はねぇよ あの10年前の事件はよ、正に男の勲章だよ。俺もよぉ刺されるほど女に愛されてみて~な~」
これには驚きました。
2002年に棚橋が当時交際していた女性に、別れ話のもつれで背中をナイフで刺されたあの事件を持ち出して来たのです!
「えっ それ言っちゃって良いの!?」これまで、余り表だって誰も口にして来なかった あの事件を引き合いに出しての挑発に、どよめく場内。
あの時の棚橋の背中には、かなり深くナイフが突き刺さっており出血量が物凄く筋肉量の少ない一般人だったら 本当に死んでいた状態だったと言います。
完全なプライベートでの事件だし、男女間の事でデリケートな問題なので、誰も口にして来なかった「禁句」を裕二郎は、堂々と口にしたのです。
そして棚橋に接近すると駄目押しの
「なぁ この死にぞこないが!」
痛烈です
フォールを獲られた事に加えて ここまで言われては棚橋としても裕二郎の挑戦を認めない訳にはいかないでしょう。
それを確信して去っていく裕二郎に向けて
「確かに、過去は消せない。けどな・・全部背負って生きて行くんだ。新日本プロレスも俺が背負っていくから。」
この時の棚橋は、本当にカッコ良かったです。
刺された事に関しては、棚橋は完全な被害者なのですが、そこまで女性を追い詰めてしまった事・・・棚橋は心から悔いており 被害者にも関わらず女性に対しての減刑を求めたそうです。
それらの過去を決して黒歴史にするのではなく「背負っていく」・・・と棚橋はそう言いました。
あの事件に関しては、棚橋に対する批判もあるでしょうが、それらの批判も全て受け止める覚悟なのでしょう。
同時に「新日本プロレスも俺が背負っていく」と、その言葉の通り 棚橋は全身全霊で、新日本プロレスを背負い そして守る為に、現在に至るまで満身相違の身体でリングに立ち続けています。
それも全て 裕二郎二防衛した後に棚橋が言った
「愛」が、支えになったからでしょうね。