ケニーオメガ「日本は俺のホーム だからソッチいかない」

2016年 昇り調子だった新日本プロレスも

この年は大激震に、みまわれました。

 

年明け早々に、主戦力である

中邑真輔

AJスタイルズ

カール・アンダーソン

ドク・ギャローズ

の4名が、WWE移籍を発表したのです。

更には、当時2団体所属をしていた飯伏幸太も新日本を退団。

 

「新日本もいよいよ終わりか」

そんな声も囁かれていました。

 

中邑の退団に伴い 返上となったIWGPインターコンチネンタルを棚橋弘至が、中邑の跡を継ぐべく ケニー・オメガとの王者決定戦に出撃したのですが・・・

ここでも衝撃が走ります。

 

Jr.ヘビー級からヘビー級に転向してばかりで、AJスタイルズを追放してバレットクラブの新リーダーとなったばかりのオメガに、まさかの敗北。

インターコンチネンタルを奪われてしまいます。

 

2016年前半は、客足に影響が出た訳ではありませんが、ファンが新日本の未来に対して 不安になっていた時期です。

 

そんな中 迎えたG1クライマックス

決勝に進んだのは、後藤洋央記とオメガ

当時のオメガは、試合内容こそ良かった物の

Jr.ヘビー級あがり

インディー出身者

リーダーとしては、AJより格落ち

こんな印象が、大半だったと思います。

 

しかし そんな印象をこの日吹き飛ばします。

 

後藤と凄まじい熱戦を展開し

デヴィットのブラディサンデー

AJのスタイルズクラッシュ

飯伏のフェニックススプラッシュ

バレットクラブの歴代リーダーと盟友の技を次々に繰り出していきます。

 

こういう展開になると日本人は、感情移入しちゃいます。

そして最後は、必殺の片翼の天使

 

外国人初のG1クライマックス優勝を果たすのです。

この結果には驚きましたが、試合後のリング上でのマイクパフォーマンスでは、英語で何か喋っているけど 何を言ってるかまるで分かりません(泣)。

しかし 途中からまさかの日本語!

 

昔からオメガを知っている人なら 彼が日本語を喋れる事くらい知っているでしょうが、ヒールとして日本語を封印していたので、ここで日本語が出てくる事に驚きました。

 

そして最後に、こう言いました

 

「日本は俺のホーム だからソッチ行かない」

 

オメガが、大量離脱で落ち込んでいた新日本を救った様な気がしました。

経営的な事ではなく この日オメガのこの一言で救われたファンは、きっと多かったと思います。

 

日本語としては、正確には

「ソッチ行かない」じゃなくて

「アッチ行かない」なんでしょうが

そんな細かい事は、どうでも良くなる位に光が差した瞬間でした。

 

この時から全てのファンが、オメガの事を

バレットクラブのリーダーとして

そして新日本プロレスの一員として

認めたんじゃないでしょうか?

 

 

2019年

紆余曲折を経て オメガは新日本から居なくなりました。

 

ソッチには行かなかったけど アッチに行っちゃいました。

 

でも アッチとの契約も問題無いようだし

スポットでも良いので、オメガがいつか再び新日本のリングにあがり かつての好敵手や盟友と再開するのを密かに、期待しています。

 

今でも オメガが、”日本は俺のホーム”と少しでも思ってくれている事を願ってやみません。