いまや棚橋弘至の代名詞とも言うべき試合後の
「愛してま~す!!」のマイクパフォーマンス。
チャラ男路線で、ナルシストキャラとして長らく売ってた棚橋っぽい言葉ですが、この言葉を初めてリング上で叫んだのは2006年7月
棚橋が、初めてIWGPヘビー級を巻いた日です。
当時の棚橋は、まだチャラ男でもナルシストでもありませんでした。
世は、新日本の暗黒期真っただ中。
当時のIWGP王者ブロック・レスナーが、予定されていたタイトル戦をドタキャンしてベルトを持ち逃げしてしまう大事件が起こりました。
新日本としては、ファンの信頼を失うし 払い戻し客も殺到するし 正に大ピンチを迎えていたのですが、苦肉の策として2代目ベルトを持ち出してレスナーからは、王座剥奪
そして王座決定トーナメントを開くと言う苦肉の策に出ました。
結果としては、決勝戦でバーナードを撃破して棚橋弘至が、涙の王座初戴冠。
しかしレスナーvs棚橋を楽しみにしていたお客さんは、この形で棚橋戴冠を納得はしていなかったでしょう。殆どの人が、最強王者から棚橋が、ベルトを取り戻す姿を期待していた筈ですから。
元々客入りの悪くなっていた この時期に加えて、レスナーのドタキャンの影響で、観戦を辞めたお客さんも多く会場は、ガラガラでした。
新日本は、この日に多くのファンの信頼を失いました。
それでも会場に駆けつけてくれたファン
最後まで棚橋を応援してくれたファン
新日本を見捨てなかったファン
そんなファン達に向かって 棚橋はマイクを持つや声を絞って言いました
「愛してます」と
現在の聞きなれた拳を突き上げての「愛してま~す」と言う言い方では無かったですが、この時の棚橋の「愛してます」は、どん底状態にあった新日本を支えてくれた ファンへの心からの叫びだったと思います。
今では棚橋の試合後の定番として 定着したセリフですが、最初の「愛してます」は、今見返しても 重みがあります。
その後 チャラ男もナルシストも卒業しましたが、ずっとメインに立ち続け 新日本のエースとして何十回、何百回と「愛してま~す」と叫び続けてきました。
2020年の現在。
メインイベントを締める事も少なくなって来て
「愛してま~す」が、レアになって来たのが寂しい所ですが、棚橋が再びIWGP王者となり リングの中心で、愛を叫んでくれる事を信じています。