ByeByeグレート・ムタ

来月2月21日の武藤敬司の現役引退に伴い、グレート・ムタも現世を去り、魔界に帰ってしまう事が発表されていましたが、1.22横浜アリーナ大会。 遂にその日が来てしまいました。

 

ラストマッチとなるムタは、遠征時台の最大のライバルであるスティングとそのパートナーであるダービー・アリンとトリオを結成。

最後の最後に数年振りに、スティングとタッグを組むというだけでも感慨深い物があるのに、対戦相手には、白使、AKIRA、丸藤正道という異色メンバーを揃えながらも豪華な6人タッグ。

 

しかも入場では、ムタの”親父”であるグレート・カブキが登場し、現役時代と変わらぬ見事なヌンチャク捌きを披露してから本家毒霧を噴射し”息子”を招き入れます。

アリン、スティングと続いて最後に、主役であるムタが登場。

 

コールを受けて頭巾を脱ぐと何とその顔面には「ByeBye」の文字が。

そう言えば1997年にも、翌年に引退を控えていた長州力との試合で、顔面にByeByeのペイントを施して現れた事がありましたね。

あの時は長州に向けての言葉でしたが、今回は集まってくれた対戦相手や会場に来てくれたファン

そしてプロレス界へのByeByeという事なんでしょうね。

 

非常に見所の多い試合でした。

ムタと白使が、伝説の1996年以来の対戦で、2人が織り成す異空間の闘いに目が離せません。

丸藤や白使はスティングは、向かい合うだけでも絵になるし、何気にAKIRAとスティングも久々の対戦。

アリンに至っては、全ての組み合わせが新鮮そのもの。

 

懐かしい組み合わせから、新鮮な組み合わせまで、ここにいるメンバーは、ムタが長いキャリアの中で、縁を紡いで来た選手達ですが、この巡り合わせにはプロレスファンとして感謝です。

 

場外乱闘では「愚零闘武多」と書かれた卒塔婆を膝で叩き割ると、白使の額に突き刺して流血させる。

あの時を思わせる場面の再現です。

 

終盤には白使に毒霧を噴射してから、閃光魔術弾をヒットさせ、そこにスティングのスコーピオンデスドロップ、ダビンのコフィン・ドロップの援護射撃から再度の閃光魔術弾で3カウント。

オーバーキルな感じではありますが、最後の試合を見事な勝利で締め括り、有終の美で飾ったムタでしたが、このまま簡単に終わらないのが、ムタでした。

 

ダメージの大きい白使に対して、更に卒塔婆で追撃すると、白使の額の血を指にとり「完」と書き入れたのです。

これはあの時のオマージュですね。

あの時は「死」でしたが、今度は「完」ですか。

 

これでムタの物語は本当に終わり。

最後の最後までムタワールド全開でした。

 

そのまま花道を引き上げたムタは、最後に緑の毒霧を吹き上げて、その姿を消していきました。

 

バックステージでのスティングとのやり取りは、昔からムタを見てきた人には、堪らないでしょうが、ムタがこれで本当に魔界に帰ってしまうのは寂しくもあります。

代理人の武藤が「もうムタは終わり」と過去に何度も発言した事がありますが、今度こそ本当にムタは、終わりです。

 

究極のベビーフェイス武藤敬司と対をなす存在であり、武藤最大のライバルでもあったグレート・ムタ

武藤よりも一足早くに、プロレス界からByeByeです。

 

ムタには多くの夢を与えてもらいましたが、長い間本当にありがとうございました。 そしてお疲れさまでした・・・と言いたいですね。

でも神出鬼没のムタの事なんで、もしかしたら またいつの日か・・・誰かを襲撃しに来る事もあるかも知れないですね。