内藤哲也のポルボ・デ・エストレージャ

ここ数年の新日本プロレスは、固定の必殺技でのフィニッシュがお決まりになっていて、違う技でのフィニッシュは格下との対戦を除いて、余りお目にかかる事ははありません。

それはそれで良いんですが、たまに隠し技とも言うべきレアな技が繰り出されて、それがズバリと決まり 勝負が決する場面は大好きだったりします。

 

内藤哲也なんかは、メキシコ仕込みの多彩なテクニックを持ちながらも フィニッシュに関してはベビーフェイス時代はスターダストプレス。 そしてロスインゴを結成してからは、デスティーノで決める割合がかなり多かった中で、数回ですが隠し技を披露してフォールを奪った事があります。

ちゃんと命名もしている れっきとした内藤の技で、それでいて滅多に使わないレアな技。

それが、ポルボ・デ・エストレージャ


走って来た相手をかわして、背後に回り込むと相手の片腕をハンマーロックに極め、残った片腕で相手の脇を通して首の後ろに回してから、そのままマットに倒れ込んでフォールを奪う技。

変形のグランドコブラツイストと言った感じでしょうか。

 

内藤のオリジナル技で、一回見ただけでは技名を覚えれそうもないですが、滅多に出さないだけあって効果は抜群。

出せば勝率100%と言う訳にはいきませんが、2011年のG1クライマックスでは、時のIWGP王者・棚橋弘至の決勝進出を阻んだのが、初公開だったボルボ・デ・エストレージャでした。

そして2022年のニュージャパンカップでもIWGP世界王者のオカダ・カズチカの決勝進出を阻止したのが、またもやこの技。

 

タイトル戦や決勝戦でのフィニッシュになった事はありませんが、それでも そこに至るまでの大事な試合でのフィニッシュになっている事は、大きな強み。

内藤の必殺技は、スターダストプレスにせよ デスティーノにせよ自爆や不発に終わる事がとにかく多いので、必殺技を完封された状態でも相手の不意を突いてフォールを奪う事の出来る 滅多に出さない丸め込み技と言のは、ここぞと言う時の切り札になります。

実際に新日本の2TOPを倒して、G1やNJC決勝へ駒を進めていますからね。

 

新日本の系譜としてアントニオ猪木や藤波辰爾も得意としていたグランドコブラツイストですが、その流れを継ぐ訳ではないと思いますが、内藤風にアレンジされた変形のグランドコブラツイストを見ると、やはり内藤もライオンマークを背負っているんだなと感じます。

これは言い過ぎですかね??

 

藤波辰爾がここ一番で、グランドコブラツイストで幾度となく逆転勝ちを納めてきた様に、攻め込まれた時の内藤も一瞬の隙をついてポルボ・デ・エストレージャで、大逆転勝利をすると興奮してしまうので、もう少しだけで良いので使用頻度を上げてもらえたら嬉しいです。

土壇場での「秘策」と言う物は、やっぱりカッコイイですからね。

 

でもデスティーノが観れないと、それはそれで残念極まりないので、何とも複雑なんですけどね。