小島初防衛ならず!そして迎える拳王時代

新日本プロレスの小島聡の手に、ノアの至宝GHCヘビー級王座が奪われた事で、良くも悪くも大きな話題とはなりましたが、至宝の他団体流出というノアの一大事に、誰よりも早く立ちあがったのが拳王。

そして両者によるタイトルマッチは、7.16 日本武道館大会で実現する事になりました。

 

この試合に関しては予想が難しかったと思います。

あれだけ大きな話題になった小島のメジャーグランドスラムで、たったの一度の防衛も果たさずに王座転落と言うのもなかなか考え難いし、ここ最近の拳王は「ノアの御意見番」みたいなポジションになっていて 肝心のリング上での結果が追い付いておらず、そろそろ2018年以来4年振りの王座戴冠を期待したい所だっただけに、どちらにも「ここは勝つだろう」という理由みたいな物は存在していました。

まぁ そう言う試合の方が結果も読めないし、見ていてハラハラするし面白いんですけどね。

 

口ではお互いの事をチクリと言う事は有っても、その言葉の裏にはお互いに相手へのリスペクトが感じ取れるのが、なかなか気持ちの良い煽り合いでしたが、この2人での試合となれば素晴らしい試合となるのは必至。

事実 やはり素晴らしい闘いとなりました。

 

両者の重いエルボーやチョップに蹴りが何発も交錯する中、雪崩式コジコジカッターやラリアートを被弾してしまい拳王は大ピンチに陥るも カウンターのハイキックで逆襲に応じると最後は、ムーンサルトプレスの要領でヒザを叩き込む新技で、遂に3カウント。

これは自分の膝をも壊しかねない”諸刃の刃”とも言えそうな技ですが、かなり強烈そうな技では有るので、今後もここ一番での大きな武器となるでしょう。

今現在ノリにのっている小島を葬った事で、その破壊力は立証済みですしね。

 

ともあれ拳王はこれで、新日本に渡っていた至宝奪還の大任を果たした事になり、4年振り2度目の拳王時代を迎える事になります。

その存在感とは裏腹に、結果だけがついてこなかった最近の拳王としては、ようやく その大きな存在感に大きな実績が付いて来たと言う感じですが、これで これからのノアも楽しみになって来ました。

拳王が中心になって作っていく ノアはこれからどんな展開を見せるのか?

 

「ノアは新日本プロレスの天下り先じゃなかったな!」とノアは決して新日本の下じゃないぞ!というプライドを垣間見せ、ノアファンの留因を下げるコメントを残しつつも、小島に対しては「メチャクチャ学ぶ所があった。そして少しだけ楽しかったよ。どうもありがとうな」と感謝の言葉を口にしたのには、拳王の人間性が見えていたと思います。

同様に小島もSNSで、ノアや拳王個人に対しての素晴らしさや感謝の言葉を口にしています。

 

本音を言うなら せっかく小島のグランドスラムと言う大きな話題となった戴冠劇があったのだから、出来れば2~3回位は防衛して欲しかった・・・という部分はありますが、ノアの未来の為に闘った拳王の意地が、少しだけ上回ったのでしょうね。

 

試合前の挑発合戦から、2人ならではの激闘

そして試合後のお互いを称えるコメント

小島聡も拳王も正しくプロレスラーでした。

 

小島の様なレスラーが、その意志を後進に紡いでいく新日本プロレス

拳王の様なレスラーが、中心となってこれから作り上げて行くノア

日本を代表するメジャー2団体は、共に安泰だと思わせてくれる様なプロレスを見せてくれたのが、小島vs拳王だったと思います。