ビル・ゴールドバーグのジャックハマー

1997年にWCWで衝撃のデビューを果たして以来 一躍世界にとどろくスターレスラーに駆け上がったビル・ゴールドバーグですが、彼を代表する最強の一撃必殺技が、ジャックハマーです。

ブレーンバスターの体勢で持ち上げてから、自らの体を捻って相手の体に浴びせかける様に、全体重を乗せてパワースラムの要領で豪快に叩きつける技。

 

ビル・ゴールドバーグのオリジナル技にして最大のフィニッシュホールド。

デビュー当時から明らかに、普通の新人レスラーとは違う風貌や雰囲気を醸し出していたゴールドバーグですが、デビューしていきなり ここまでの必殺技をひっさげて 並みいる強豪相手に、破竹の173連勝と言う大記録を成し遂げています。


そして その殆どの勝利をこのジャックハマーで挙げており、これこそが決まれば一撃必殺で、連勝記録の原動力となった技である事は言うまでも無い。

 

最初にこの技を説明文だけで見た時は、そこまで大した技ではないな…と言うのが正直な感想でしたが、映像で見た時にその感想は一変しました。

スゴイ!

問答無用でスゴイ技です。

 

何が凄いって、まずはその迫力

どんな相手でも軽々と持ち上げ、叩きつけるスピードと迫力が物凄いので、これ一発で唐突に試合が終わっても納得できる一撃です。

現在では同じ技を使うレスラーも数多くいますが、やはり本家とは迫力から何から、まるで違う物です。

 

ゴールドバーグがデビュー間も無い時期に、ジャックハマーで仕留めた相手としては、ハルク・ホーガン、リック・フレアー、ザ・ジャイアント、スコット・ノートンなど層々たる顔ぶればかりなのが驚きです。

格下の噛ませ犬ばかりで記録を作るのは、結構良くあるパターンですが、勿論ゴールドバーグの相手の中にも噛ませ犬的なポジションの選手はいましたが、世界的にもトップクラスの選手までもがズラリと顔を並べていますからね。 

 

ましてや新日本プロレスで外国人エースとして 無類の強さを誇っていたノートンまでもが、僅か数分でジャックハマーの前にたったの一発で撃沈してしまったのだから、日本のプロレスを中心に見ている人間からすれば衝撃的でした。

 

ちなみに2002年には、全日本プロレスのリングで、ゴールドバーグが待望の初来日を果たしましたが、その時の太陽ケアと小島聡との連戦では、期待されていたのは勿論 日本初公開となるド迫力のジャックハマーだったと思います。

しかし2連勝したのは良い物の 何故かジャックハマーを出す事も無く 何て事は無い普通の技で、あっさりと数分で勝利してしまい かなり物足りない印象を残してしまいました。

ケアと小島の勝利には、最初から誰も期待していなかったのは少々気の毒でしたが、この結末にはすっかり肩透かしを食らった気分でした。

 

今考えても何故あの時 ゴールドバーグは、ジャックハマーを日本のファンの前でお披露目しなかったのかが分かりません。

もしかしたら 当時の小島やケアの事をジャックハマーを出すに値しない相手だと認識していたのか・・・もし そうだとしたら、とんでもなく失礼な話ですが、あの負け方では次期エース候補だった2人がゲスト外国人に必殺技を出される事も無く簡単に負けただけで、全日本にとっては何のメリットも無いマッチメイクだったと思います(集客には影響したかもしれませんが)

 

あと考えられる事といったら、実は2度目の参戦が予定されていてジャックハマーは、次回に引っ張ると言う戦略だったのが、2度目の参戦が白紙になったとか・・・

 

個人的にはこの線が濃い様な気もするんですが、当時の全日本に本場のスーパースターを呼ぶだけのお金があったとは思えないので、ギャラ的にゴールドバーグの納得のいく額では無かった為に、必殺技を出し惜しみした・・・と言う可能性も考えられます。

結局の所 真相は分かりませんが、あの時のゴールドバーグは、ファンに何を求められているのかを感じ取って欲しかったですね。