大谷晋二郎のコブラホールド

Jr.ヘビー級時代の大谷晋二郎と言えば、ドラゴンスープレックスを筆頭に、スワンダイブ攻撃的などの抜群の身体能力とキレを活かした技を得意としていました。

 

当時の大谷は、海外遠征を経ずに新日本Jr.のトップの一角になり、一度はIWGPJr.ヘビー級をも手にしている様に、完全に新日Jr.の中心人物になっていました。

それだけに、2000年にJr.ヘビー級での活動に一区切りを付けて 海外遠征に旅立ち 2001年に、ヘビー級の肉体を手に入れ海外修行から、凱旋する際には、大谷も悩んだと思います。 

 

Jr.ヘビー級としての大谷のイメージが完全に出来上がっている為に、ヘビー級転向にあたって過去のイメージを払拭して、新生大谷晋二郎をアピールするには、どうしたら良いか?

海外修行から凱旋する選手にとっては、これは大事な事ですから、色々考えたと思います。

 

帰国戦では、武藤敬司との新たな流れを予感させるタッグを結成して、髪の毛を茶色に染め上げ 黒と赤のツートンカラーのコスチュームに身をつつみ ヘビー級に変貌した身体を東京ドームの大観衆の前に、披露しました。

随分とイメージが変わったとは思いましたが、もちろん変わったのは見た目だけではありません。

 

ヘビー級のパワーを手に入れた大谷は、豪快なスパイラルボムで、獣神サンダー·ライガーを叩きつけると、仕上げとばかりにライガーの首に腕を絡ませコブラクラッチ。

そこから更に胴締めに移行するコブラホールドを初公開し、ライガーを仕留めたのです。

 

ここからの大谷はコブラホールドを武器に、Jr.時代は越える事の出来なかった越中詩郎やヒロ斎藤からも次々とギブアップを奪い、IWGP初挑戦では佐々木健介をも多いに苦しめました。

ヘビー級転向に当たっての新必殺として、コブラホールドは良かったと思います

以前から使っていたスパイラルボムは、ヘビー級となった事で迫力も増したし、殆どのトップレスラーは得意な絞め技の一つ位は持っているものなので、ここが大谷は不足していた部分だった事もあり これで更にレスラーとして完成されてきた感はありました。

 

それに当時コブラクラッチを使う選手は、ほぼ居なかったので良い所に目を付けたな・・・と思っていたんですが、ZERO-ONE移籍後に間もなくして コブラホールドの進化系であるキングコブラホールドを開発したが為に、コブラホールドは余り使われなくなってしまいました。

これは正直残念でしたが、近年はわりとコブラホールドを使う事も増えたようですね。

 

キングコブラホールドもカッコ良くて良い技なんですが、コブラホールドも充分に良い技なので、再び陽の目を浴びる様になって良かったです。

背後からガッチリと首に腕を巻きつけ、胴体も締めつけて身動きを出来なくするコブラホールドって、大谷の勝利への執念を象徴する様な技なんで、結構好きだったんですよね。