EVILが見せた強さ。HOTは転換期を迎えたのかも知れない

2.13 新日本プロレスのエディオンアリーナ大阪大会で、NEVER無差別級選手権として行なわれ王者EVILと石井智宏の一戦。

遺恨が深まる両者だけに、ランバージャックデスマッチと言う試合形式の性質上、ハウスオブトーチャーのこれまで常套手段からして、大荒れの試合になると誰もが予想していたと思います。

 

しかし予想に反して、まさかの大熱戦となりました。

場外に落ちた選手に対して セコンド陣がリング上に押し上げるのが、この試合のルールなのですがそんな事はお構いなしに、ハウスオブトーチャーの面々は、リング上にまで上がって来てレフリーを排除した上で、石井に攻撃を加えます。

・・・またか

こういう試合展開にウンザリしていた人も多いでしょう。

 

しかし ここから試合は、大きく動きます。

石井の仲間であるCHAOSの後藤洋央紀、YOSHI-HASHI、YOHの3人もリング上に雪崩れ込んで来て、リング上は全員の必殺技が飛び交う大混戦になり、結果的に両軍ともにセコンドは全員が不在の事態になります。

予想外の展開ともいえますが、これがタイトルマッチの本来あるべき姿。

 

リング上では、石井とEVILの 正真正銘の真っ向勝負が繰り広げられます。

いつもなら ここで場内が暗転したり、仲間が介入したり、金的攻撃をしたり試合がグチャグチャになる流れですが、この日に限ってはセコンドはもう居ないので、本当の一騎打ち状態。

 

これまで非道の限りを尽くしてきたEVILですが、反則も介入もない肉弾戦を見せるのはいつ以来でしょうか。 痛みの伝わる強烈なラリアート合戦や必殺技を巡る高度な読み合いの果てに、最後は必殺のEVILが炸裂して激闘に終止符が打たれ、EVILが王座防衛に成功しました。

 

確かに試合途中で、ハウスオブトーチャーの乱入はありましたが、結果的には全員が排除された事で、勝敗には影響しない部分での展開でした。 

いつもなら反則・介入の末にEVILが卑怯な勝利を挙げる事が多かったので、ファンのフラストレーションも溜まったのですが、この日の試合終盤はかつてのロスインゴ時代を思わせる肉弾戦での勝利と言う事で、文句無し王座防衛だったと思います。

 

ズルイ事をしなくてもEVILは強い

肉弾戦で闘っても普通にEVILは強い

そんな印象を試合を見ていたファンには、強烈に植え付けたのではないでしょうか?

 

思えば 過去に存在したヒールユニットも立ち上げ時は、乱入や反則を繰り返し極悪ヒールユニットである事をアピールしており、ある期間が過ぎると「悪いヒール」ではなく「強いヒール」になっていった歴史が、過去には何度もありました。

ハウスオブトーチャー結成してから、彼等のファイトには批判が集中しまくっていて、新日本から離れて行ったファンも多い様に感じます。

NOAHとの対抗戦で、NOAH勢の真っ向勝負に惹かれて NOAHに流れて行ったファンも多い様な感じもします。

 

そう言う事も踏まえて ハウスオブトーチャーも結成から約半年が過ぎて極悪ヒールをアピールする時期は終わったんじゃないでしょうか?

EVILは勿論 高橋裕二郎もディック東郷もSHOも 元々は全員が実力の有るレスラー。

ヒールと言う立場上、反則や乱入は必要かも知れませんが、過度には行なわず あくまで実力で勝負すれば新日本に愛想を尽かしていたファンも もう一度振り向いてくれるかも知れません。

 

団体にとってヒールユニットは必要な存在ですが、それがファン離れを加速させたとあっては元も子も無いので、ここいらで そろそろ ハウスオブトーチャーは、転換期を迎えるべきなのかも知れないですね。