ライガーのスイングフランケンシュタイナー

プロレス技には、一度は世に出た物の 程なくして使われる事が無くなってしまった残念な技は沢山あります。

様々な技を開発しながら、何故か当の本人は使わなくなった技を複数持っていると言うレスラーは、獣神サンダー·ライガーが筆頭格じゃないでしょうか?

 

とにかくライガーは、沢山の技を開発して使ってきました。

そして使わなくなりました。

 

その一つが、スイングフランケンシュタイナーです。

コーナー最上段から、リングに立つ相手に対して両足で挟むように飛びつき、そのまま180℃旋回して 遠心力をつけた状態で脳天から、突き刺す変形のフランケンシュタイナー。

 

1994年に、ライガー悲願の”団体の垣根を越えた大会”J-CUPの開催が決定して、ライガーは大会に向けて 二つの秘策を用意しました。

一つはフィッシャーマンバスターで、そしてもう一つがスイングフランケンシュタイナー。

 

大会を目前に控え、直前に行われたIWGPJr.ヘビー級選手権のブラックタイガー戦で、試し切りとばかりにスイングフランケンシュタイナーを初公開して、見事勝利を収めているのですが、この技はカッコイイ。

晩年のライガーからは、想像出来ないかも知れませんが、この頃のライガーはこんな事もやってました。

 

まぁ ライガーの身体能力は決して秀でてる方ではないので、他の選手が同じ技をやれば もっと早く美しく完璧に出来るのでしょうが、ライガーならではの重厚感と説得力のある良い技だったと思います。

 

大会本番では、2回戦でFMWのリッキー・フジをも仕留めて、大会用の秘策としての役割は果たしたのですが、何故かこの後スイングフランケンシュタイナーが使われる事は、無くなってしまいました。

何でだろう?

この技メチャ好きだったので、かなり勿体無く感じます。

 

一般的に、技を使わなくなる理由としては

見映えが悪い

使い勝手が悪い

危険度が高い

難易度が高い

他の選手とカブる

コンディション的に出来なくなった

等があるのですが、この中だと一番しっくり来るのが「難易度が高い」かも知れません。

 

飯伏幸太や丸藤正道のような常人離れした身体能力の持ち主なら、サラリとやってのけそうですが、ライガーの場合はあの技をギリギリの所でやってた可能性も有りますね。

決して簡単な技ではありませんから。

  

もう出す事は無いだろうと思いつつも、いつかは解禁してくれる事を期待しながら26年が経ち、結局ライガーの引退により その希望は潰えてしまいました。

 

本当に好きな技だったので、非常に残念なので、ライガーが引退してしまった今 誰がが継承して欲しいとは思っていたんですが、現代で他の選手が仮にこの技をやったとしても、フランケンシュタイナーが単なるヘットシザース化している昨今 誰がやってもライガー程の説得力は出せないと思います。

中途半端に継承される位なら、いっそこのまま一代限りの技でも良い様な・・・良くない様な・・・・

 

何にせよ、大好きな技の一つでした。