棚橋弘至の旋回式ハイフライフロー

棚橋弘至の代名詞ハイフライフローには、寝ている相手に仕掛ける型と立っている相手に仕掛ける型(ハイフライアタック)の2種類がありますが、正確に言うと寝ている相手に仕掛ける型には、更に2種類存在します。

 

通常のプレス技は、自分の乗るコーナーポストから見て横向きに倒れている相手に対して放つが、この旋回式ならば90°旋回して飛ぶので、コーナーに頭を向けて倒れている相手に対してでも放つ事が出来ます。

それまでコーナーからのプレス技は、相手の倒れている方向は限定されているのが常識でしたが、この旋回式はコーナーからのプレス技の常識を大きく変えたと言って良いでしょう。

 

試合展開の中で相手がどの向きで倒れていても、お構いなしに仕掛けれる事が出来るのは試合を構成する上でも大きな強みですからね。

棚橋はこの旋回式を2008年から使用。

 

以前はとにかくアンチの多かった棚橋のハイフライフローに関しては

跳躍力が無いから辞めた方が良い」

「必殺技としては地味」

と言う声もかなり多く有りましたが、そんな声にも負けずハイフライフローに磨きをかけ バリエーションも増やす事で、徐々にアンチの声をも抑え込んでいったように感じます。

元々ハイフライフローはそこまで悪い技じゃないのにな・・・と個人的には思っていましたが、例え試合終盤で何発も打つ流れになったとしても こうした変化を見せる事で、マンネリ解消には繋がります。

 

旋回する事で、空中での屈伸運動が若干甘くなるデメリットはありますが、全く同じ技を連発するのと、アレンジを加えた技を挟むのでは、全然違いますからね。

 

未だに、アンチ棚橋の人も根強く存在しているので、そう言う人は何を見ても棚橋を認める事は無いでしょうが、一つ一つの技の精度やアレンジを含めて、棚橋がACEの名に恥じないレスラーに成長した事は、間違いないでしょう。

 

ただ この技は旋回しているとは言っても技名が、旋回式ハイフライフローと表記される事はなく あくまで正調式と同様に”ハイフライフロー”と表記されています。

棚橋本人もそこに関しては、拘りは一切ないんですね。