内藤哲也のデスティーノ

かつての内藤哲也の代名詞だったスターダストプレスに代わって、今の内藤とは切っても切りなはせない技となったのは、デスティーノ

相手の左腕を取ってその下を潜り抜けつつ 左腕で相手の首を上腕に乗せる形で抱え込むと、取った腕を支点に逆上がりの要領で回転しながら、最終的には遠心力を利したリバースDDTの形で、後頭部をマットに叩きつける。

内藤哲也のオリジナルの得意技。

 

凱旋帰国後は、棚橋の後継者候補・次期エース候補などなど、その将来を大いに期待されていたにも関わらず 目標としていた20代でのIWGP戴冠も叶わず、ブーイングの対象として 長年突き抜ける事の出来なかった内藤でしたが、現状打破の為の2015年のCMLL遠征の際に、身につけて来たのがデスティーノ。

このメキシコ遠征で、ロス・インゴベルナブレスに加入して来た事で、制御不能男に変貌を遂げ、コスチュームに黒を加え、正にやりたい放題のファイトスタイルと供に、使用を始めたデスティーノは内藤が変わった事を印象付ける新必殺技でした。

 

初公開となったのは、同年のG1CLIMAXにおける棚橋弘至戦。

カウンター式で、これを決め棚橋に勝利したのですが、試合後も棚橋はしばらく立ち上がる事の出来ない程のダメージを負っており スターダストプレスに変わる新必殺技としてのお披露目には、一応の結果は残しています。

しかし初公開時は、回転が足りなかったのか、まだ技が未完成だったのかは不明ですが、内藤も腹這いで着地する形で、現在の物とは少し違う物でした。

入り方の違うアサイDDTと言う感じかな?

 

相手が内藤の体を支える形になる為に、内藤アンチからは相手の協力が必要な技とか、組体操だとか…揶揄される事が多々ありますが、そんな事を言い出したらプロレス技なんて ほぼ成立しなくなっちゃうんですけどね。

 

そんなアンチの声はさておき、このデスティーノがズバリと決まった時は非常にカッコ良くて、個人的にはマイケル·エルガン等の体幹がしっかりした選手を相手にする時が、デスティーノが最も映える瞬間だと思います。

また飯伏幸太やケニー·オメガらは、何故か垂直に刺さっていくのですが、確かに凄い受け身ではあるんですが、余りにも不自然なので最後はリバースDDTの形で後頭部を叩きつけるのが一番好きですね。

 

とにかくカッコいい技だから大好きなので、内藤の試合でデスティーノが観れないと残念な気分になりますが、技の性質上 自分と同体かもしくは自分が先にマットに落ちるので、着地の際に自分の膝に相手が乗ってしまい欠場する程の大怪我をしてしまった事もあります。

そう言ったアクシデントもあるリスクの高い技でもあるので、くれぐれも乱発は避けて 怪我の無いように華麗なデスティーノをこれからも見せてほしいですね。

 

 

ちなみに、デスティーノと言う名称の意味は、スペイン語で「運命

カッコ良いんだけど、いっその事 内藤が同時期にキメ台詞にした「トランキーロ」をそのまま使っても面白かったかも……と一時は思いましたが、やっぱりデスティーノで良かったです。