中西学のスピアー

プロレスラーには、当然ながら様々なタイプの選手が存在します。

スピードに長けた選手やパワーに長けた選手

才能に恵まれた選手とそうでない選手

痩せ形の選手も居れば、ガチムチな選手だって居ます。

 

2020年に引退した中西学は、非常に不思議な選手で、日本人離れした体格と恵まれた身体能力。 しかしとんでもなく不器用でプロレス頭が無いと評判です(個人的にはそこまで思わないけど)

素材だけなら最高級なのに、新日本でトップを取る事が出来なかったのは何故なんでしょうかね?

 

そんな中西学を代表する得意技と言えば、アルゼンチンバックブリーカーは当然として もう一つはスピアーだと思っています。

2012年の首の負傷でのコンディション悪化からは、かつての迫力も陰を潜めてしまいましたが、特に1990年代の中西のスピアーは迫力満点でした。

スピアーは単純な技では有るんですが、中西の類まれなる体躯と身体能力を存分に活かした技だったと言えるでしょう。

 

海外まで見渡してみれば物凄いスピアーを放つ選手は沢山居ますが、日本人に限って言うなら間違いなく1990年代の中西は、最高の使い手だったと思います。

 

武藤敬司とのIWGP戦で、連発で決めたスピアーは凄まじかったし、2000年前半には、フィニッシュになる事も有り蝶野正洋や小島聡からもフォールを奪った事も有ります。

基本的に繋ぎ技とは言え、不器用な中西だからこその技だったと思うんですが、2000年代後半に入ると、色んな技に色気を示しはじめて、ジャーマンスープレックスは以前から使っていましたが、そこから派生させて

大☆中西ジャーマンや、特大中西ジャーマン

ヘラクレスカッター

マナバウアー

フィッシャーマンズスープレックス

以外にも、色んな技を使い出しましたが、不器用な中西だからこそ余り多くの技は要らなかったような気もします。

 

不器用と言えば聞こえは悪いですが、中西のように素材に恵まれ、ガチムチで誰にも負けないパワーを持った選手の不器用は特徴であり、物凄い長所だと思います。

だから極端な話 主な技はアルゼンチンバックブリーカーとスピアーだけでも良かったような気がするんですけどね。

実際に1990年代の中西は、試合を組み立てる立てる為に、メインで使っていたのはこの2つの技のみで、本当に一試合にしつこい位に何回も出していたし、違う技もチラホラ出してはいましたが、それで良かったと思います。

いや、その方が良かったです。

 

器用さを出してきて色んな技を使う様になってきた中西よりも、不器用な中西の方が中西らしさが出ていた思うんですけどね。