小橋建太の剛腕ラリアット

猫も杓子もラリアットと言われる程のプロレス界で大流行した技が、ラリアット。

様々な使い手が居ますが、元祖のスタン·ハンセンを別格として、誰が一番強烈なラリアットを打つのか?と言われれば、多くの人が、小橋建太の剛腕ラリアットを挙げると思います。

 

若手の頃から小橋の前には、ハンセンが高い壁として立ちはだかり、何度も何度もウェスタンラリアットには、苦渋を飲まされています。

時には、コーナーポスト上から叩き落とされたり、ダイブして来た所を迎撃されたり、避けたと思えば遠心力を利用した更に強烈な一撃を喰らったり、それこそあらゆる角度から、あらゆる方法で世界最強のラリアットを食らい続けてきました。

だからこそ小橋は強くなれた事もあるし、その身体で実際に何度も受け続けた事で、ラリアットの極意を身に付けたのか、いつしか完全に自分の物としていました。

 

ラリアットを使い始めの頃に、ハンセンに、控え室に呼ばれ「真似した事を怒られる!」と恐る恐る控え室を訪ねると「ラリアットを使うなら乱発はするな。一発で決めるのがラリアットだ」と全てのラリアッターに聞かせてあげたいアドバイスを頂いたそうです。

 

ハンセンの教えを守り、必殺技の域に高めたラリアットは、その鍛え抜かれた太い腕から、いつしか剛腕ラリアットと呼ばれる様になりました。

あの三沢光晴をして「あのラリアットはハンセン級」「一番喰らいたくない技」などと言わしめた程で、数々の激闘を剛腕ラリアットで制しています。

 

ハンセンとの三冠戦では、本家のハンセンを剛腕ラリアットで倒すと言う快挙も見せ、名実供にトップレスラーにまで登りつめた小橋の代名詞とも言うべき必殺技です。

 

ただ小橋のラリアットは、ハンセンに何度も受ける事で、独学で身に付けたもので特に指導をされた訳では無いんですよね。

ハンセンに指導されたのは、全日本時代の小島聡で、雑誌取材用のパフォーマンスの側面もあったかも知れませんが、小島は一応ハンセンにラリアットの指導を受ける事で、打ち方やフォームに至るまで大きく改善しています。

小島は嫌いじゃないです。

小島のラリアットも嫌いじゃないです。

むしろ好きな方です。

ただハンセンから正式に伝授されるのは、若手の頃から何度もハンセンに叩き潰されて育ってきた小橋であって欲しかったです。

まぁ独学で、あれだけのラリアットを打てるのも凄いんですけどね。