武藤敬司「プロレスはゴールのないマラソン」

プロレスとは奥の深い物で、個人の価値観によって表現方法も様々です。

 

ファイティングオペラ

シューティングを越えた物がプロレス

今まで色々な人間が、色々な角度からプロレスを色々な表現をして来ましたが、中でも個人的に「なるほどな」と思ったのが、1992年に週刊プロレスのインタビューで武藤敬司が語ったこの一言

 

「プロレスはゴールのないマラソン」

 

言われてみれば確かにその通り。

プロレスラーとなって、何をゴールとするかの明確な基準なんて物は無いので、それこそ千差万別でしょう。

チャンピオンになる事

リーグ戦やトーナメントに優勝する事

MVPを獲る事

グランドスラムを達成する事

引退がゴール

 

どれもアリだと思うし、どこをゴールに定めるかは個人の自由ですが、基本的にプロレスを続けている以上は、チャンピオンになってもG1やチャンピオンカーニバルに優勝したって、これからも闘いは続いていきます。

一度はグランドスラムを達成したとして、頂点を極めたとしても その後の他の選手の猛烈な巻き返しにより、あっという間に追い抜かれてしまうなんて事は、プロレスでは珍しくありません。

 

つまり何かを達成したとしても まだゴールでは無くレースの途中。

選手としての格・実績・人気・実力・知名度

全ての面で、先輩や同期、後輩とも常に競争は続いています。

プロであるなら、お金の事だって大事な事ですよね。

 

プロレスラーである以上は、選手同士は勿論 対世間と言う観点から見ても永久にマラソンは続くと言えます。

しかも時と場合によっては、相手がどこら辺を走っているかは分からない時だってあるし、障害物だらけの非常に難易度の高いマラソンだと思います。

 

どんな選手にもいつかは引退は訪れるので、リングを降りる以上はそこがゴールかも知れませんが、スタートから全力疾走で走り抜いた人も居れば、競歩でゴールした人も居るだろうし、ペースチェンジしまくった人だって居るでしょう。

ある意味 引退してからだって「元・プロレスラー」の肩書で売っている以上は、まだマラソンは続いているかも知れません。

 

武藤と蝶野正洋、橋本真也の闘魂三銃士のレースだって もう終わっているとは、これっぽっちも思っていません。

 

プロレスって本当に奥が深い

闘いでもあると同時に、至極のエンターテイメントでもあり、そして永遠にゴールの見えないマラソンでもあります。

 

どのランナーも走るスピードはそれぞれ違っても、大きな怪我だけはしないで、自分の納得する所までは、是非完走して欲しいと強く願います。