秋山KO-D王座陥落

8月21日 DDTの富士通スタジアム大会で、若きエースの竹下幸之介が秋山準を破り、KO-D無差別級王座を奪取した事で、遂にDDTの新しい時代の扉が開かれました。

 

秋山は2020年5月の全日本所属時代に、DDTのゲストコーチに就任し 6月にはDDTにレンタル移籍。

そこからGRAND PRIX2021にも優勝すると暫くはフリーとしてDDTに参戦を続けるも翌年2月には、遠藤哲哉からKO-D無差別級を奪取。

それと同時に、DDTへの正式入団を果たす事となりました。

 

最初の頃は、DDTのコーチと言う形では有った物の全日本所属だった秋山は、紛れも無く外敵。その秋山に看板リーグや最高王座まで奪われてしまっては、DDTの若い選手達としても内心穏やかでは無かったでしょう。

最終的には、秋山もDDTの一員になったとはいえ どこかで”秋山は外敵”そんな認識も有ったと思います。

 

王者になってからの秋山は、DDT所属として実に3度の防衛に成功を果たし、期間にして半年もの間 王座を保持していた事になります。

その間 本来ならば新世代の旗手として真っ先に、秋山から王座を奪わなければならなかった竹下もスランプ状態に陥り、DDTでは完全なる秋山無双が繰り広げられていました。

 

昔から秋山を見て来たファンからすれば、DDTの若い選手達と秋山では過去の実績やポテンシャルが全く違うので、この無双も当然と言えるかもしれませんが、DDTとしては、この状態がいつまでも続くのは、流石に良くない・・・

秋山とて コーチとして若い選手達に全てを叩き込んでいるので、自分を乗り越えて行く選手の出現を待ちわびていた事と思います。

もちろん ここに至るまで、秋山も全くの無敗と言う訳ではなく何度か敗れた事はありました。しかしリーグ戦の一試合や普通の試合で負けるのと、王座戦で負けるのでは、全く意味が変わってきます。

DDTの若い選手が、秋山を乗り越えるには、やはり王座戦で秋山からベルトを奪う事が重要となって来る訳です。

 

そして迎えた竹下の王座挑戦。

これが3度目となる秋山vs竹下は、いずれも秋山の勝利に終わっており、竹下としては絶対負けられない一戦。

秋山にしても前日本からDDTに闘いの場を移した以上は、せっかく手に入れた王座を易々と若い選手に手渡す訳にはいきません。

かくしてお互いの意地を懸けた世代を超えた一戦は、凄まじい物となりました。

 

何度もお互いに得意とする膝を入れ合う展開となり、秋山のランニングニーと竹下のザーヒーが交差する場面も見られました。しかし最後は、現在絶好調だと言う竹下の意地と勢いが上回ったのか、クロスアーム式スープレックスホールドからの変型チキンウイングフェースロックに繋ぎギブアップ勝ち。

この勝利は、余りにも大きい勝利。

秋山の事を「外敵」と言い切った竹下が、王座奪還を果たしたのは勿論の事、あの秋山の口からギブアップの言葉を引き出際したのは、大した物です。

 

3度目のシングル戦で遂に、秋山越えを果たした竹下は「秋山さんにやっと勝つ事が出来ました。勝ったぞー! 今日でピリオドを打つ気なんかありません。死ぬ気で防衛して、もっとでかくなって、今度は僕が秋山準を迎え撃ちます!」と絶叫。

 

半年に渡る秋山政権に終止符を打った以上は、これからは紛れも無く”竹下時代”

今回が、初の竹下政権ではありませんが””秋山から王座を奪う””と言う儀式を通過した今回の竹下政権は、今までとは大きく意味合いも違います。

今度こそ竹下が、DDTのリーダーとして団体を引っ張って行く時。

 

これからの竹下にも期待は大ですが、秋山もDDTのコーチ就任からKO-D無差別級王者まで、大いにDDTの活性化に努めてくれました。

結果的に世代交代の儀式を終了した形となったので、今回で秋山の仕事は一段落ついたとは言えますが、これから何度でも時代を再び 引き戻しても全然OKだと思いますし、もしこれから先 竹下がショッパイ試合をするようなら発破をかけに再び対角線に立つのも良いと思います。

秋山準にもDDTで残された仕事は、まだまだ有ります!

 

秋山が紡いでいくDDTの未来

竹下が作っていくDDTの未来

これからのDDTが、どうなっていくのか楽しみです。